レバレッジ型ETFに売買は集中

日経平均株価が年初来高値を更新した当たりから、再びETF・ETN市場も活況を呈しています。日本銀行が追加緩和を行った以降は、日経平均株価のボラティリティが大きくなったことから、より売買が活況を呈するようになりました。

売買が活況になったのはETF・ETN市場にとって喜ばしいことですが、問題は活発に売買が行われている銘柄です。東京証券取引所が毎月出している「月刊ETF・ETNレポート」の2014年10月版によれば、月刊の売買代金合計は3兆7328億円。その内、2兆2258億円が「NEXTFUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(野村アセットマネジメント)なのです。

その他、売買代金上位5銘柄に2銘柄もレバレッジ型が入っており、実に3銘柄で69%強の売買代金を占めているのです。売買代金がどの程度あればよいとは言えせんが、ETFは証券取引所に上場しており、株式同様に機動的な売買をできることがウリの商品です。

銘柄数が株式より少ないことから、一部に過度売買が集中してしまうのは仕方がないのかもしれませんが、他のETFの売買がもっと増えて売買代金上位銘柄への集中度合いが低下することを願うばかりです。そのためには魅力ある新商品の上場が必要でしょう。

ハイイールド債等の指数連動商品が上場

魅力ある新商品と言えば、2014年11月19日に上場した債券指数に連動するETFです。世界のETF市場の運用残高においてトップのブラック・ロックの「iシェアーズ」から3銘柄の債券指数連動の商品が上場されたのです。米国の国債、ハイイールド債券(高利回り社債)、新興国債券の3つの指数に連動するETFです。

注目は通常の投資信託でも近年投資資金を集めているハイイールド債券に連動する「iシェアーズ米国ハイイールド債券ETF」です。ハイイールド債券は、信用リスクは劣るけれども高利回りが期待できる債券。ハイイールド債券は、個別に見れば信用リスクやデフォルトリスク(債務不履行)、価格変動リスクが高いものの、同ETFは約1000銘柄に分散投資されていることから、個別銘柄のリスクを低減することができるのです。

米国は量的緩和を終了したものの、依然として低金利であることに変わることはないことから、高い利回りが期待できるハイイールド債券や新興国債券などに限られています。2014年9月末時点で、海外ETFをベースにした分配利回りはハイイールド債券=5.51%、新興国債券=5.89%と5.0%を上回っています。

共に1口から売買することができ、2014年11月27日の終値ベースではハイイールド債券=12860円、新興国債券=9550円から投資が可能です。上場から間もないため、売買代金もあり流動性は問題ないと思われます。ポートフォリオに味付けをする資産クラスとして注目したい債券指数連動のETFと言えるでしょう。

配当貴族指数連動のETNも上場

ETFと比較して影の薄いETN市場ですが、ETNにも個性的な株価指数連動の新商品が2014年11月18日に上場しました。略称「米国配当貴族ETN」、正式名称を「NEXTNOTESS&P500配当貴族(ネットリターン)ETN」です。

「S&P500配当貴族指数」とは聞き慣れない指数ですが、米国を代表する株価指数であるS&P500の構成銘柄のうち、25年以上連続して増配を継続している銘柄で構成されている指数です。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、コカコーラ、ウォルマートなど、私たちがよく知っている企業で構成されています。

私たちがよく知っている大企業ばかりなのでパフォーマンスはそれほどでも?と思われるかもしれませんが、25年以上も連続して増配をする企業、言い換えれば好業績企業中心の指数ですから、S&P500指数の上昇率をアウトパフォームしているのです。

同ETNも1口から投資することができ、2014年11月27日の終値ベースで10360円から投資できます。ただ、ETNであることから分配金が支払われないことには注意が必要です。

個性的な商品が続々登場しているETF・ETN市場。個別株のように倒産リスクがないことから、個別株投資で迷われている投資家などはETF・ETNに注目されてみてはいかがでしょうか。もちろん、迷われていない投資家も大注目です。
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