南天のマルチなせき止め効果とは

南天のど飴

南天のど飴の缶タイプと箱タイプ

空気が乾燥するこの季節、どうしてものどがいがらっぽくなってきます。そんなとき「なん・てん・のどあめ~♪」のフレーズでおなじみの『南天のど飴』は、お母さんにもらって嬉しい「おいしいのどのおクスリ」でした。
でも、コンビニにあるのど飴との違いは? 南天にどんな効果があるの? など、実のところあまりよく知りません。

そこで、今回は南天のど飴を提供する常盤薬品工業株式会社(ノエビアグループ) グループ総合研究開発部 医薬品・食品開発グループ 課長の栗田誠司氏に、「おいしいのに、のどの痛みに効く」秘密と、新テイスト開発秘話などをお伺いしました。

――南天って、冬になるあの赤い実の植物ですよね?

栗田氏
栗田氏01

お話しをお伺いした栗田誠司課長 撮影:多田裕美子

「そうですね。南天には白い実もあって、『南天のど飴』にはその両方から抽出した南天実のエキスを使っています。南天は古来中国より、せきを鎮める生薬として伝わりました。現在では、南天実の主成分『O-メチルドメスチシン』が、科学的にもせき止め薬としての効能があるとわかっています。」

聞くと、そのO-メチルドメスチシンの効果は、
  • 気管平滑筋を拡張し、せきを鎮める
  • せき中枢の興奮を抑え、せきを鎮める
  • 殺菌作用により、菌による気道の炎症を抑える
  • 鎮痛作用により、のどの痛みを和らげる
と、のど・中枢神経の各方面からせきにアタックする多才ぶりなのです。生薬『南天実』恐るべし!

――だからもちろん「医薬品」なのですね

栗田氏「実は1968年の発売当初は『食品』として販売していたんです。でも、当時の厚生省(現:厚生労働省)によって、本商品の有効成分の南天実が、『医薬品』に使用される効果の高い成分として分類され、本社のあった大阪府より『この商品を医薬品として申請してください』と要請を受けたのです。そんなわけで1985年以降、『南天のど飴』は「南天実」を主成分とした医薬品として、ドラッグストアや薬局で販売されています。」

公的機関から「医薬品にしてね」と依頼される……そんなこともあるのですね。のど飴の商品分類には、飴をなめることで唾液を出し、のどを潤す作用のみをもつ『食品』、殺菌作用のみ(抗ウィルス作用はない)の『医薬部外品』、そして厚生労働省から「せきへの効能効果がある」と認められた医薬品成分が含まれる『医薬品』があります。

実際に、私たちがのど飴を買おうと思うのは、既に「のどがちょっと痛いかな?」「ちょっといがらっぽい……」など、のどに違和感を感じた時。その時には、『食品』や『医薬部外品』ではもう遅いかもしれません。具体的な効能がある『医薬品』の、のど飴が最適といえそうです。

生薬『南天実』だからこそ生まれる、「効果」と「安心」の両輪

――すぐに効くせき止め薬もありますが、強い化学成分が入っているのではないかと、お子さんに服用させる時などはちょっと戸惑いますね。

栗田氏「実は、『南天のど飴』には化学製剤は含まれていないんです。商品名に南天という生薬名を入れるには、『南天実』単一成分だけでできている必要があり、この名前こそが、「南天実の生薬だけしか使っていませんよ」「他に強い成分は入っていません」ということを示しているのです。」

なるほど、生薬『南天実』のみで作られたからこそ、その冠をかぶれるというわけですね。しかも既に述べた効果を持ちながらも、生薬の効き目はあくまで人に優しいもの。混じりけのない一本勝負で、子どもにも優しい「安全」と「信頼」を培ったのが、ロングヒットの要因でしょう。