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そのDLCはサービスと言えるのか(2ページ目)

楽しみにしているゲームに、ダウンロードコンテンツがあると知って不安になる、ガッカリする、そんなことを経験したことがある人はいませんでしょうか? 本来サービスであるはずのダウンロードコンテンツが、ユーザーの望まないものになっている、そんなことがゲーム業界に起きています。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

課金アレルギー

ブレイブリーデフォルトの図

時間で回復するものがお金で買える……というだけで嫌な予感がする人、いませんか?

スクウェア・エニックスがニンテンドー3DS(以下3DS)用に発売したRPG「ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル」は、ダウンロードコンテンツを発表したことで、ゲームが台無しになるんじゃないかと不安視されたタイトルです。

続編を見据えて導入したという、新しいシステム「ブレイブリーセカンド」は、敵との戦闘中に、どんな状況であっても時間を止めて攻撃できる、かつ、通常9999までという上限を超えて10,000以上のダメージを与えられるという非常に強力なもので、SPというポイントを必要とします。SPはゲーム起動中に3DS本体をスリープモードにしておくと8時間に1ポイント回復しますが、ダウンロードコンテンツのSPドリンクを購入することでも回復します。

先に言っておくと、ブレイブリーセカンドの導入により、SPドリンクを購入しなければまともに攻略できないような難易度に調節されている、というようなことはありませんでした。むしろ、難易度選択など、より快適にプレイできるように調整されています。

しかし、SPドリンクの情報が発表された時には、ユーザーからはネガティブな反応が多数見られました。「新しいシステム、面白そう、遊んでみたい!」ではなく、せっかく面白かったブレイブリーデフォルトというゲームが、ダウンロードコンテンツによって台無しになるんじゃないかという危惧が先行したのです。

実はガイドも、この発表を知った時に不安を感じました。こうなるともう、課金アレルギーのような状態です。

開発費高騰、ダウンロードコンテンツへの取り組み、失う信用

次世代機の図

次世代機では、ダウンロードビジネスがさらに活発になるでしょう

コンシューマーゲームは、開発費が高騰してどんどん苦しくなっていくということが言われています。これは、ここ2、3年に言われ始めたことではありません。PlayStation2(以下PS2)の頃だって、あるいはもっと前から散々言われていた話です。しかしいよいよ、帳尻があわなくなって、コンシューマーゲームビジネスが儲からなくなってきました。

ハードの性能が向上しているにも関わらず、国内市場が大きく縮小した据え置きハードでは特に顕著で、WiiやPlayStation3の時代では発売タイトルが激減しています。これがWii U、そしてPlayStation4(以下PS4)、Xbox Oneと次の世代になると、いよいよもって苦しくなることが予想されます。

そんな中、より低い開発コストで売上を高める方法論として、ダウンロードコンテンツを積極的に活用するメーカーが増えています。2014年、PS4やXbox Oneが発売される予定ですが、これらの次世代機ではダウンロードビジネスがより活発になっていくでしょう。

各社手探りで進める中、売上を優先するあまり、ゲーム体験を損なうような仕組みが提案され、ユーザーから反発を買ったり、そのせいでゲーム業界全体が信用を失い、課金アレルギーのようなものまでひきだしてしまっているようにも感じます。

このようなことを繰り返せば、結局、コンシューマーゲームからユーザーは離れていってしまうかもしれません。
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