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そのDLCはサービスと言えるのか

楽しみにしているゲームに、ダウンロードコンテンツがあると知って不安になる、ガッカリする、そんなことを経験したことがある人はいませんでしょうか? 本来サービスであるはずのダウンロードコンテンツが、ユーザーの望まないものになっている、そんなことがゲーム業界に起きています。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

追加課金にガッカリする

ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトルの図

ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトルは、ダウンロードコンテンツの仕組みに大きな批判が集まりました

楽しみにしているゲームに、ダウンロードコンテンツ(DLC)があると知って不安になる、ガッカリする、そんなことを経験したことがある人はいませんでしょうか? 本来、ダウンロードコンテンツというものは、オンラインを通じて追加のアイテムやシナリオなどが購入できるサービスです。サービスであるからには、ユーザーが望んでいるものである必要がありますし、喜ばれるものであるべきです。それが何故か、サービスがあることを知ってガッカリするという状況が起きています。

もちろん、全てのタイトル、全てのダウンロードコンテンツがそうなわけではありません。しかし、ダウンロードコンテンツがあるがために購入を見送る、ダウンロードコンテンツがあることを知ってゲームを手放す、そういうことも起こっています。

DLCでゲームがつまらなくなった?

実況パワフルプロ野球の図

お金を払えば失敗をやり直せる、という要素があるだけでゲームがつまらなくなるという意見もあります

ダウンロードコンテンツがあることで何故ガッカリするのか。その多くは、ダウンロードコンテンツを売ろうとするがために、遊びが制限されたり、ゲーム本来の楽しみが損なわれたと感じることがある為です。

バンダイナムコゲームスがPlayStation3(以下PS3)用タイトルとして発売した「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル(ジョジョASB)」では、希望小売価格7,980円もするゲームであるにも関わらず、キャンペーンモードを連続して遊ぶには別途課金が必要であるという仕様を発売直前に発表、ユーザーから大変な反発を受けました。

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また、コナミが発売した「実況パワフルプロ野球2013(以下パワプロ2013)」のPS3版、PSVita版では、ゲームの進行を巻き戻す「思い出の砂時計」や、レアなキャラクターを手に入れやすいプレミアムガチャを回すことができる「パワーストーン」など、ゲームの攻略、システムに深く関わる多数の課金アイテムがあることで、物議をかもしました。

パワプロ2013では課金要素が強いかわりに、パッケージの価格をPS3版、PSVita版で3,980円とかなり低く抑えています。しかし、本体価格が安くなっているから良いのかといえば、そうではありません。思い出の砂時計があることによってそれまでのシリーズにあった緊張感が失われたというような意見も多く、単なる価格の問題ではないことが伺えます。

どちらのゲームも、課金要素には手を出さずに楽しんでいるユーザーもいれば、課金をして楽しんでいるユーザーもいます。しかし、課金要素があることで面白くなくなってしまった、楽しめなくなってしまったというユーザーから声があがっていることも事実です。

遊ぶのにお金がたくさんいるのが困るというだけの話ではなく、ダウンロードコンテンツがあることでエンターテイメントの質そのものが変わってしまうことを心配しているユーザーがたくさんいるのです。
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