シェフパティシエの江口和明さんは専門学校を卒業後、渋谷フランセに入社。その後、オープニングの頃から立ち上げ時に神戸「カファレル」、後に「ル・ショコラ・ドゥ・アッシュ」を経てショコラについて学ばれました。
ベルギー・アントワープの「デルレイ」本店で研修した後帰国し、日本に初上陸した際の「デルレイ」の立ち上げにシェフとして務め、さらには六本木ヒルズにオープンした際の「NOKA」、「ベルベリー」などの店舗の統括を任されていました。「デカダンスドュショコラ」の販売から製造を一手に統括後、「デリーモ」のシェフパティシエに。29歳という若さでありながら、多様な経験をされた注目の若手シェフです。
ショコラトリー(チョコレート専門店)での経験豊富な江口シェフならではのショコラをメインにしたケーキがショーケースに多く並びます。いくつかご紹介しましょう。
DEL'IMMO(デリーモ)
店名を称した「デリーモ」は、柔らかな口どけのエスプレッソのムースの中に、ほのかなビスケット風味が香るバローナのドゥルセ(*)とアングレーズソースをベースにしたムースが隠れています。ヘーゼルナッツをたっぷりと使用したしっとりとしたパン・ド・ジェンヌ生地が風味のアクセントに。滑らかなコクは紅茶にもコーヒーにも合う優しい味わい。
*2013年9月にバローナから新商品として、ブラック、ミルク、ホワイトに次ぐ、世界初のブロンド・チョコレート「DULCEY(ドゥルセ)」を発売。この商品を使った新作ショコラがフランス、日本のショコラトリーで多く見受けられるほど話題のチョコレートです。
Othello(オセロ)
自家製のグラッサージュが艶やかな光沢を放つオセロは70%カカオと40%カカオをブレンドしたチョコレートムースに、優しい口どけのバニラのクレームブリュレが隠れています。マルコナのアーモンドプードルを贅沢にしようした、しっとりとしたスポンジも魅力。断面をみると白と黒のコントラストが美しいので「オセロ」という名称をつけたそう。このケーキとのマリアージュのワインとして、南仏のビオロジック農法で育てられたワイン「シャトーヌフ・デュ・パプ(1000円)」を提案。カカオ系の香りを主体とし果実感、黒胡椒などの複雑なアロマが魅力。チョコレートムースのほろ苦さとワインのもつエレガントな味わいが素晴らしいマリアージュに!
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