世界遺産の富士山がわかる!『富士山の大図鑑』
富士山といったらどんなことを思い浮かべますか? 日本一の高さ、雄大な姿、噴火、湧き水、葛飾北斎、火祭り、銭湯などいろいろあると思いますが、今なら、世界遺産という答えもあるでしょう。豊かな自然や、その美しい姿だけで登録されたわけではないのです
世界遺産には、自然遺産・文化遺産・自然遺産と文化遺産の両方の価値を兼ね備えた複合遺産があるのですが、富士山は文化遺産です。古くから信仰の対象であったこと、和歌や浮世絵など多くの芸術を生み出す源泉であったこと― つまり、日本の文化に大きな影響を与えていることがその理由でした。
『富士山の大図鑑』は、その富士山の魅力を、自然環境のみならず歴史や文化的な角度からもしっかり伝えてくれる図鑑です。
富士山の魅力に迫る3つのポイント
『富士山の大図鑑』は次のような3つの章で構成されています。第1章 富士山と周辺の自然を見てみよう!
第2章 富士山の歴史・文化を知ろう!
第3章 富士山の景観と自然を守ろう
富士山の自然環境がテーマの第1章では、高さや位置などの基本情報から、富士山に生息する植物や動物、富士五湖や青木ヶ原樹海などが、豊富な写真とともに解説されています。
特に面白いのは、天気予報について。富士山にかかる「笠雲」や「つるし雲」の形で天気が予想できるとのこと、雲の形や季節、予想される天気が一覧になっています。富士山を見るときにはぜひ参考にしたいものです。
『富士山の大図鑑』(富士学会監修・PHP研究所出版)より
第2章では、火山としての富士山のなりたちのほか、物語・神話・俳句などの文学や童謡・浮世絵などの芸術に見られる富士山の姿といった観点から富士山に迫ります。
たとえば、日本で一番古い物語とされている『竹取物語』に、富士山が出てくることをご存じでしょうか? 簡略化された子ども向けの昔話「かぐや姫」には出てこないことが多いけれど、富士山は、実は『竹取物語』とは深い関係のある山なのです。
このように、第2章では、古来より「不死」「不尽」などと信仰の対象でもあった富士山に惹きつけられた人々やその思いに触れることができます。
そして、富士登山や景観・自然環境保護など、富士山と現在の人々との関わりについて説明されているのが第3章です。登山のマナーや「富士山憲章」、富士山をあしらったご当地キャラクターなども紹介されています。
目次・索引・ルビ付きで、美しい写真が豊富。富士山を様々な切り口から見ているので、「富士山×植物」・「富士山×全国の富士のつく地名」・「富士山×水」など、自分なりのテーマを見つけやすく、自由研究にもおすすめです。
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