不動産売買の法律・制度/不動産売買ワンポイントアドバイス

バルコニーの利用制限

バルコニーの利用にあたっては一定の制限が存在します。高額なお金を払ってマンションを購入したとしても、部屋に付属するバルコニーには個人の区分所有権が及ばず、全体の共用部分なのです。しかし、その利用制限が守られていない場合もあるので、中古で購入する際には注意が欠かせません。

執筆者:平野 雅之

【不動産売買ワンポイントアドバイス No.025】

バルコニー

バルコニーは一定のルールに従って使用することが大切


マンションのバルコニーは区分所有者全員の共用部分であり、それぞれの部屋の居住者(区分所有者または賃借人など)が専用使用権に基づいて利用するものです。日常生活の中であまり意識することはないでしょうが、火災などの緊急時には避難通路として、他の部屋の居住者が通ることになります。

したがって、当然のことながらバルコニーの利用に関して一定の制限があり、緊急避難の妨げとなるような物置など重量物を置いたり、サンルームを造ったりすることはできません。仮に避難ハッチやはしごなどが設置されておらず、緊急時の通路にもならない位置関係のバルコニーだったとしても、特段の定めがないかぎり公平性の観点から同様の制限が適用されます。

バルコニーの利用については≪ルーフバルコニーの注意点≫でも触れましたが、財団法人マンション管理センターによるマンション使用細則のモデルでは、バルコニーにおける禁止行為として次のものを挙げています。
(一部要約)
□ 煉瓦、モルタル、コンクリートおよび大量の土砂による花壇などの設置または造成
□ 家屋、倉庫、物置、サンルーム(中略)その他の工作物の設置または築造
□ アマチュア無線アンテナ、音響機器および照明機器などの設置
□ 緊急避難の妨げとなる物品の設置または放置
□ 手すりを毀損し、または落下のおそれのある物品の設置もしくは取付け
□ 多量の撒水
□ その他、通常の用法以外の使用

ところが実際のマンションでは、バルコニーに物置などが設置されているケースも見受けられます。違反者に対する管理組合からの指導が行き届かずに黙認されている事例のほか、古いマンションでは使用細則が整備されておらず、「通常の用法の範囲を超えて使用してはならない」とする一般原則としての制限が認識されていない場合もあるでしょう。そのまま放置すると、他の居住者にも同様の行為が広がって収拾がつかなくなるほか、大きな惨事につながることも懸念されます。また、建物の適切な維持管理を妨げる原因になったり、全体の美観を損ねるためにマンションの資産価値へ影響を及ぼしたりすることも考えられます。

購入を検討する中古マンションのバルコニーに物置がある場合には、決して「それを使えてラッキー」などとは思わず、売主に撤去を求めるべきです。また、広いバルコニーのあるマンションだと入居後にガーデニングをしたいと思う場合もあるでしょうが、その利用制限の範囲を考えて、支障のないようにしなければなりません。


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不動産売買お役立ち記事 INDEX

ルーフバルコニーの注意点


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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