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年々多様化するインデックスファンド

2013年10月にブラックロック・ジャパンが8月(一部9月)に「i-mizuho」シリーズを、12月に大和証券投資信託委託が「D-I's(ディーアイズ)インデックスファンド」を新規設定します。投資家にとって選択肢が増えることはうれしい反面、商品選択が大変になることも考えられます。それぞれのインデックスファンドシリーズを見てみましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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インデックスファンドの最古参は1968年12月設定

インデックスファンドは、古くて新しい投資信託と言えますが、ここ数年ではシリーズ化したインデックスファンドが増えています。2014年1月から始まるNISA(少額投資非課税制度)を意識したからなのかもしれません。

2013年12月5日現在、運用されているインデックスファンドで最古参は野村アセットマネジメントが運用する「積立て株式ファンド(愛称=MIP)」です。1968年(昭和43年)12月25日に設定されていることから、今年の12月25日で満45年のご長寿ファンドになります。日経平均株価に連動するタイプです。

12月4日現在、基準価額は242円、純資産総額は約243億円もあります。基準価額が200円台!とびっくりされるかもしれませんが、当初は現在のような10000円からの運用開始ではなく、1000円から運用が開始されているためです。

その後、新規設定されて現在まで運用が続いているインデックスファンドは1980年代後半までなく、その後、また期間が開いて銀行で投資信託の窓口販売が解禁になった1998年から2001年にかけて新規設定が増え、2008年の現、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「STMシリーズ」、2009年の三菱UFJ投信の「eMAXISシリーズ」へと続いていくことになります。

シリーズ化のインデックスファンドが設定されるまでは、ほとんどが日経平均株価かTOPIX(東証株価指数)に連動する商品ばかり。日興アセットマネジメントが「年金積立インデックスファンド海外株式(ヘッジ無し)」など、現、プルデンシャル・インベストメント・マネジメント・ジャパンが「PRU海外債券マーケット・パフォーマー」などの海外株式や海外債券に連動するインデックスファンドを運用していただけだったのです。

年々多様化するインデックスファンド

現、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「STMシリーズ」、三菱UFJ投信の「eMAXISシリーズ」が設定されたことが、インデックスファンドを取り巻く環境を大きく変化させたようです。

全てのインデックスファンドが同時に設定されたわけではありませんが、国内外の株式、債券、REIT(不動産投資信託)、バランス型など多様な商品が揃っているのが共通の特徴です。中でも、新興国の株式や債券指数に連動する商品は画期的と言っても過言ではないと思われます。

多様な指数連動の商品が揃っているわけではなく、購入時手数料はノーロード(販売会社によって異なる)であるほか、運用管理費用(信託報酬)も低く抑えられていることが、投資コストに敏感な個人投資家に受け入れられたと言えるでしょう。

STMシリーズ、eMAXISシリーズの牙城を崩すべく設定されたのが、野村アセットマネジメントが運用する「Funds-iシリーズ」です。特徴的だったのは、新興国債券(現在は、外国株式や先進国債券なども)インデックスファンドに、初の為替ヘッジを付けた商品をラインナップに加えたことです。

22本と商品のラインナップで他の運用会社を凌駕するのがブラックロック・ジャパンが運用する「i-mizuhoシリーズ」です。単一国の債券や株式、コモディティ指数に連動する商品を揃えていることに特徴があります。ハイイールド債券や先進国インフレ連動債券インデックスファンドなどは個性的なインデックスファンドと言えますが、取扱い会社が2社に限定されているのは使い勝手という面で見劣りする気がしてなりません。

最新は、大和証券投資信託委託が運用する「D-I's(ディーアイズ)シリーズ」です。通常は、後から販売(設定)される商品(シリーズ)は、既存の商品(シリーズ)にはない特徴が見られるのですが、残念ながら「D-I’s(ディーアイズ)シリーズ」には目立った特徴はありません。追加に設定に期待するとしましょう。

新たな投資対象が増えるのは喜ばしいことですが、新規設定が増えるごとに取扱い金融機関が増えてしまうと管理するうえで不自由を感じることになりかねません。管理の手間とのバランスを考えて新規設定ファンドとつき合うべきでしょう。
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