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『キャプテン・フィリップス』とトムハンクス映画4選

傑作との呼び声高い『キャプテン・フィリップス』はトム・ハンクスの名演あってのものだとも言われています。ハリウッドが愛する国民的俳優トム・ハンクス。彼の傑作映画は数多くありますが、意外と初期から小品ながら良作に出ているのです。『スプラッシュ』『ビッグ』『パンチライン』など、彼の初期の名作の数々をご紹介します!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

2013年11月29日に公開された『キャプテン・フィリップス』はトム・ハンクスの圧巻の演技が話題の大作です。この映画でアカデミー賞主演男優賞候補になるのでは?と言われているトム・ハンクス。でも実は彼、すでに『フォレスト・ガンプ/一期一会』と『フィラデルフィア』で2回も受賞しているのです! 2個のオスカーはトム・ハンクスがアメリカの国民的俳優であることを物語っていますね。

アカデミー賞受賞以降、彼の作品はいつも注目をあびてきましたし、みなさんがよく知る作品は多いでしょう。『グリーンマイル』『めぐり逢えたら』『プライベート・ライアン』『キャスト・アウェイ』。そうそう『トイ・ストーリー』のウディの声でもおなじみですね。が、意外とデビュー作から小さいながらも良質な作品に出演していたのですよ。今回はトム・ハンクスの初期の名作を新作『キャプテン・フィリップス』とともにお届けします!

トムの名演技にもらい泣き必至!

『キャプテン・フィリップス』(2013年度作品)
『キャプテン・フィリップス』

たったひとりで人質となった船長。実話の映画化

2009年に起こったソマリア人の海賊によるコンテナ船の船長人質事件を『ボーン・アルティメイタム』や『ユナイテッド93』のポール・グリーングラス監督が映画化。いつもと同じように任務を遂行していた船長(トム・ハンクス)と船員たち。その船にソマリアから海賊が乗り込みます。船長は船員たちに隠れるように命令し、船長は単身で人質になってしまうのです……。
『キャプテン・フィリップス』

船員を守るために精神も肉体も追い込まれる船長

久々に映画でどえらい緊張を強いられました。海賊が乗船してきたときから、もう緊張感はMAXです。何しろ海賊は銃を持っていますが、船長は丸腰ですからね。この緊張が最後まで途切れることなく続くのですからたまりません。

最後に助かることはわかっているのに、なぜこんなに緊張するのか……。それは、フィリップス船長が海賊にどんな目に合うのかを観客は知らないからです。狂気じみた海賊たちゆえ、何をしでかすのかと怖くて怖くて……。だからこそ緊張の糸がゆるまないのです。
『キャプテン・フィリップス』

大金を持って帰らないと生きていけない海賊たち

しかし、海賊側にも、そうせねばならない事情があるということが冒頭で語られます。ポール・グリーングラス監督の素晴らしいところは、なぜ彼らが海賊になったのか、なぜ襲ったのか……を明らかにし、決して血の通わない悪党に仕立てないところです(『ユナイテッド93』でもテロリスト側の事情を描いていました)。だからこそ、リアリティが増したのかと。トム・ハンクスも全編にわたり熱演なのですが、特にラストの演技は鳥肌。「え、ここ泣くとこかな?でも泣くよ、泣いちゃうよ、もうダメだ……」と、やられてしまいました。
『キャプテン・フィリップス』

2013年11月29日公開

監督: ポール・グリーングラス
出演: トム・ハンクス、バーカッド・アブディ、バーカッド・アブディラマン、ファイサル・アメッド、マハト・M・アリほか

※次のページからトム・ハンクスの初期の名作をご紹介します!
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