アカデミー賞受賞以降、彼の作品はいつも注目をあびてきましたし、みなさんがよく知る作品は多いでしょう。『グリーンマイル』『めぐり逢えたら』『プライベート・ライアン』『キャスト・アウェイ』。そうそう『トイ・ストーリー』のウディの声でもおなじみですね。が、意外とデビュー作から小さいながらも良質な作品に出演していたのですよ。今回はトム・ハンクスの初期の名作を新作『キャプテン・フィリップス』とともにお届けします!
トムの名演技にもらい泣き必至!
『キャプテン・フィリップス』(2013年度作品)2009年に起こったソマリア人の海賊によるコンテナ船の船長人質事件を『ボーン・アルティメイタム』や『ユナイテッド93』のポール・グリーングラス監督が映画化。いつもと同じように任務を遂行していた船長(トム・ハンクス)と船員たち。その船にソマリアから海賊が乗り込みます。船長は船員たちに隠れるように命令し、船長は単身で人質になってしまうのです……。
久々に映画でどえらい緊張を強いられました。海賊が乗船してきたときから、もう緊張感はMAXです。何しろ海賊は銃を持っていますが、船長は丸腰ですからね。この緊張が最後まで途切れることなく続くのですからたまりません。
最後に助かることはわかっているのに、なぜこんなに緊張するのか……。それは、フィリップス船長が海賊にどんな目に合うのかを観客は知らないからです。狂気じみた海賊たちゆえ、何をしでかすのかと怖くて怖くて……。だからこそ緊張の糸がゆるまないのです。
しかし、海賊側にも、そうせねばならない事情があるということが冒頭で語られます。ポール・グリーングラス監督の素晴らしいところは、なぜ彼らが海賊になったのか、なぜ襲ったのか……を明らかにし、決して血の通わない悪党に仕立てないところです(『ユナイテッド93』でもテロリスト側の事情を描いていました)。だからこそ、リアリティが増したのかと。トム・ハンクスも全編にわたり熱演なのですが、特にラストの演技は鳥肌。「え、ここ泣くとこかな?でも泣くよ、泣いちゃうよ、もうダメだ……」と、やられてしまいました。
2013年11月29日公開
出演: トム・ハンクス、バーカッド・アブディ、バーカッド・アブディラマン、ファイサル・アメッド、マハト・M・アリほか
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