株・株式投資/決算書からチェック!気になる銘柄の株価

JPX日経400のパフォーマンスと課題とは?(3ページ目)

ROE( Return On Equity 、自己資本当期純利益率)の観点からは、TOPIXは魅力に欠けています。そのような課題をクリアするものとしてJPX日経400が設けられました。その構成銘柄のROEは、TOPIXの2倍近くになります。しかし、ダウ平均株価構成銘柄に比べれば、半分程度の水準です。また、インデックスについても日経平均株価には劣っています。もっと日本の成長企業を反映できるようなインデックスがあればいいのですが……。

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

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試案 アクション平均株価!

ダウ平均株価に負けているのも口惜しいですが、日経平均株価にも負けているとなると、インデックスとしての魅力に疑問符がつきかねません。

日経平均株価は225銘柄から構成されます。主な構成銘柄(指数への影響の大きい10社)は、ファーストリテイリング、ファナック、ソフトバンク、京セラ、本田技研工業、KDDI、信越化学工業、キヤノン、セコム、トヨタ自動車など、日本を代表する企業で、なかには世界的に名の通った企業もあります。

(※日経平均株価を構成する225社はどのようにして選ばれているかというと、セクターバランスを考慮しながら、市場流動性により選定されています。

市場流動性は「売買代金」(売買代金が多い方が流動性が高い)と「売買高当たりの価格変動率」(価格変動率が低い方が流動性が高い)により判断されます。)

日経平均株価を構成する225社の平均ROEは5.9%ですから、単純にROEだけを比較するとJPX日経400の方が優れています。

でも、パフォーマンスは日経平均株価のほうが優れています。

なぜでしょうか?

いろいろ要因は考えられるでしょうが、私は銘柄数に着目しました。
ダウ平均株価は30銘柄、日経平均株価225銘柄に対してJPX日経400は400銘柄です。

当然のことながら、優れた企業の上位30社を取るのか、225社を取るのか、400社を取るのかによって、その平均点は徐々に下がってくるはずです。学生時代のクラスの平均点を考えてみればわかるはずです。

そこで私は次の条件に基づいて10社をピックアップし、株価を単純平均して指数化しました。「アクション平均株価」と命名しましょう。

条件1
機関投資家がインデックス運用できるように、時価総額1兆円以上の銘柄とする。

条件2
機関投資家がインデックス運用できるように、情報へのアクセスが容易と考えられる東証1部銘柄に限定する。

条件3
ROE(資本効率)が少なくとも10%を超えている企業とする。

条件4
上記の条件を満たす企業のなかから、原則としてROEの高いもの順に10社を選択する。

すると抽出されたのは、ソフトバンク、富士重工業、ヤフー、丸紅、ファーストリテイリング、JT、伊藤忠商事、ユニ・チャーム、りそなHLD、JR東海の10社です。

【図3undefinedTOPIX、日経平均株価、アクション平均株価のチャート】

    【図3 TOPIX、日経平均株価、アクション平均株価のチャート】


現時点で時価総額の高いものから抽出しているため、後出しジャンケンという側面もありますが、やはり新しく作られるインデックスは、日本で最も優れたパフォーマンスを出してくれるインデックスであってほしいものです。

とはいえ、まずはJPX日経400の健闘を祈りましょう!

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