その一方でTOPIXはどうでしょうか?
過去最高の2884.80(1989/12/18)に比べて、今は1248.57(2013/11/22)と半値以下です。
日経平均株価も、過去最高値の3万8957.44円(1989/12/29)に比べて、今は1万5381.72円(2013/11/22)と半値以下です。
日本人としては、気分の落ち込む内容です。
でも、ちょっと待ってください。そもそもインデックスの構成銘柄がよくないんじゃないですか!?
ダウ平均株価とTOPIX、JPX日経400の違いは?
ダウ平均株価は30銘柄から構成される指数です。この30銘柄とは、具体的にどのような企業なのでしょうか?例えば、アメリカン・エクスプレス、ボーイング、キャタピラー、ウォルト・ディズニー・カンパニー、GE、ゴールドマン・サックス、IBM、インテル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、コカ・コーラ、マクドナルド、マイクロソフト、ナイキ、ファイザー、P&G、ビザ、ウォールマート、エクソンモービルなど、世界的な大企業ばかりです。構成銘柄は適時に入れ替えながら、その時代を反映した銘柄が選ばれています。
これに対してTOPIXは東証1部上場全銘柄(1700社超)から構成されます。結果的には時価総額が(東証2部やジャスダック、マザーズ等に比べて)大きい会社が選ばれることになります。しかし、人口がピークアウトした日本において、時価総額が大きい会社というのは既に成熟しきってしまった企業が多くなってしまいます。
それでは、ダウ平均株価とTOPIXを構成する銘柄の優劣をROEの観点から比較してみましょう。
ROE ( Return On Equity 、自己資本当期純利益率) とは、自己資本に対してどれだけの当期純利益が得られたか、という数値です。これが高いほど、自己資本を有効活用してたくさんの利益を得ていると言えます。
ダウ平均株価を構成する30社の平均ROEは、22.2%であるのに対し、TOPIXを構成する1700社超の平均ROEは、5.3%に過ぎません。このように、ダウ平均株価を構成する銘柄とTOPIX構成銘柄とでは、ROE(自己資本の有効活用の度合い)が全く異なると言えます。このようなTOPIXの課題を踏まえて、開発されたのが新株価指数「JPX日経インデックス400」(以下、「JPX日経400」といいます。)です。
ROEの高い企業を選ぶという点がポイントです。
具体的には、
(1) 東証1部・2部、マザーズ、ジャスダックに上場している企業のなかから売買代金と時価総額の大きな銘柄を1000銘柄選びます。(整理銘柄や3年内に債務超過であった銘柄等は除外)
次がJPX日経400の特徴的なポイントです。
(2) この1000銘柄について3年平均ROE(40%)、3年累積営業利益(40%)、時価総額(20%)の3つの指標についてスコアリングします。(カッコ内は各指標の重みづけ)
ROEや営業利益を評価対象とすることで、大規模であっても収益性の低い会社は除外されています。
ちなみに、
(3) 社外取締役の選任状況、国際会計基準の適用状況、決算情報の英文開示の有無という3項目をスコアリングします。
という点も特徴的です。