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司法書士試験と過去問との関係(2ページ目)

司法書士試験と、司法書士試験において重要と言われる「過去問」との関係についてご説明します。

松本 雅典

執筆者:松本 雅典

司法書士試験ガイド

2. 過去問は不要なのか?

「司法書士試験は、過去問だけでは合格できない」と申し上げましたが、問題演習の素材として最も重要なものが過去問であることに変わりはありません。「それだけでは合格できないのに?」と思われるかもしれませんが、6割程度は同内容の知識が出題されるわけですし、全国の受験生の方が共通して行っている問題演習が過去問です。また、予備校がテキストを作成するときも、「まずは、過去問の知識を掲載し(すべてではありません)、そこから広げていく」という方針で行いますので、司法書士試験の中心に過去問があることに変わりはありません。


3. 過去問を解く意味

「過去問だけでは合格できないが、問題演習の中心に過去問がある」ということはおわかり頂けたと思いますので、次は「過去問を解く意味」についてご説明します。過去問を解く目的は、以下の2点です。

1. 記憶の定着のためのアウトプット
2. 司法書士試験が要求するレベルを知る


1(記憶の定着のためのアウトプット)について
問題を解くと、その正誤を判断する時に(司法書士試験のほとんどの問題は、正しいか誤っているかを判断する正誤問題です)、テキストで学習した知識を思い出そうとします。それは、アウトプット(入れた知識を頭から出すこと)の一つであり、記憶の定着につながります

2(司法書士試験が要求するレベルを知る)について
こちらのほうが、重要です。
予備校の講座をご受講される方であれば、講師が「この部分は、ここまで正確に記憶して下さい」「この部分は、あまり詳しくは問われませんから、『こういう話があったな』とわかる程度でいいですよ」などと逐一指摘を受けます。このように、どの知識をどの深さまで記憶すればよいかという情報を提供するのが、予備校の一つの仕事であるからです。しかし、そのように指摘を受けたとしても、実際に過去に出題された問題(過去問)を解き、それが正しいということを実感して学習を進めるのと、その実感なしに学習を進めるのでは、効率がまるで変わってきます。

独学の方は、この必要性がより高くなります。テキストはあっても、どの程度まで習得すればよいかの指摘がないため、その深さを過去問で知ることになります。


今回の記事をまとめると、「過去問だけでは合格できないが、特に司法書士試験が要求するレベルを知るために過去問は欠かせないものであり、やはり問題演習の中心には過去問がある」ということです。

何度も申し上げて恐縮ですが、「過去問は重要だが、それだけでは合格できない」ということは、認識しておいて下さい。過去に出題されていないテキストの知識も必要です。

次回は、より具体的な過去問の使い方の記事を書く予定です。
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