第86回アカデミー賞が発表されました。作品賞の「それでも夜は明ける」、監督賞の「ゼロ・グラビティ」、長編アニメ賞の「アナと雪の女王」など、映画ファンを魅了する作品群が栄えある賞を受賞したのは、とても喜ばしいことです。

しかし、物事には光があれば影があります。皆さんはご存知でしたでしょうか?実はアカデミー賞の前日に、“今年最低の映画”を決めるゴールデンラズベリー(ラジー)賞の受賞式がこっそりと行われていることを!

今回はそんなラジー賞受賞作の中から、個人的に「こいつはヤバい!」と思った映画ベスト5をご紹介いたします。

5位 ムービー43

今回の第34回ラジー賞の作品賞に輝いてしまった作品です。

出演者がとにかく豪華で、 「キング・コング」のナオミ・ワッツ、「アメイジング・スパイダーマン」のエマ・ストーン、「シカゴ」のリチャード・ギア、果ては「キックアス」のクロエ・グレース・モレッツまでもが登場します。

その内容はと言うと本当ヒドい。たとえばヒュー・ジャックマン演じる主人公の設定は「喉にタマタマが出来ちゃった男」というものです。その他もお下劣な短編映画(コント)のオンパレードで、観る人が観たら怒り狂うこと必死でしょう。

その宣伝も「観てから5分後には早くも後悔する」「rottten tomatoes(米批評サイト)で脅威の支持率4%(100%中)」「あまりにヒドい内容なので、予告編でこれ以上の内容に踏み込むのを諦めます(配給会社)」など、ネガティブキャンペーンを通り越してヤケクソに思えるものになっています。

基本的にラジー賞は「狙ったつもりは無いのだけど、本当に不名誉なことに取ってしまった」というものですが、ムービー43は敢えてラジー賞を狙ったかのような出来栄え。製作者にとってはむしろ栄誉ある受賞、なのかもしれません。

4位 キャットウーマン

第25回にて4部門を受賞した作品です。

個人的には、それほど悪い映画とは思えません。主役が女性ならば敵も女性になっており、男どもが主導権を握ってばかりのヒーローものにおいて「女性の活躍」を描いていることは魅力的です。冴えない女性が恋をして、時には涙を浮かべ、そしてヒーローになるのです。女性にとってはかなり勇気づけられる内容でしょう。

しかし、 アクション演出の地味さは致命的です。キャットウーマンが普通の人間に苦戦する展開にも全く説得力がありません。せめてキャラの見せ場がもう少しだけでもあれば、評価される映画になったのではないでしょうか。

何より有名なのは、その不名誉さから式典に出席をする受賞者がほとんどいないラジー賞において、主演のハル・ベリーが片手にオスカー像、片手にラジー賞トロフィーを持ち、「他人の助力なしにラジー賞は取れません」 「最低のスタッフに囲まれたおかげです」と涙ながらにスピーチをしたことです。それもすごいのですが、実はこのスピーチ、過去に自身がアカデミー賞を受賞した時のスピーチをそのままパロディしたものだったのです。この懐の深さ、潔さは見習いたいものです。

ちなみに、ハル・ベリーは今年の受賞作「ムービー43」にも出演しています。

次ページではいよいよ3~1位を発表します!