宿泊特化型ホテルの躍進
機能的なデスク周り
近年注目されているホテルに「宿泊特化型ホテル」があります。全国チェーンの躍進が目立ち、ホテルチェーン間の競争も激化しています。
久しくホテルの業態は、「シティホテル」「ビジネスホテル」という2つの区分が用いられてきました。シティホテル=高級なホテル、ビジネスホテル=一般的なホテルというイメージです。
電子レンジやファクスまで
ところが90年代以降ホテル業態は変化し、特に2000年あたりから「ラグジュアリーホテル」という外資系を中心とした超高級ホテルと、一方「宿泊特化型ホテル」といわれる機能的で清潔感あるリーズナブルなホテルチェーンが人気を博し、二極化が進んできました。
宿泊特化型ホテルが成功したのは、徹底したコストカットを意識し、料飲部門などは持たず、宿泊に特化したことが要因ともいわれています。
今回選んだ宿泊特化型ホテルチェーンは「スーパーホテル」「アパホテル」「東横イン」「コンフォートホテル」です。いずれも全国に展開する人気のホテルチェーンです。
東横イン
東横インの客室
全国最大規模の宿泊特化型ホテルチェーンです。昔の駅前旅館のくつろぎをコンセプトに、近代的な合理性と利便性に加え「100円自販機」「アルコール類のコンビニ価格化」「金券の額面使用可能」「新聞の無料提供」などサービスの先手を打ってきました。
スーパーホテル
スーパーホテルの客室
眠りに特化したホテルチェーンです。マットレスや枕の品質が高く、ロビーで枕を選ぶこともできます。静音冷蔵庫の採用、部屋の入口で靴が脱げるなど、快適な滞在、睡眠をとことん追求。大浴場を擁する施設も多く無料朝食も人気です。
コンフォートホテル
コンフォートホテルの客室
宿泊特化型ホテルにしては、広めでスタイリッシュな客室です。デスクも広めで、ベッドも幅広、ピローも高品質です。ウェルカムコーヒーや充実の無料朝食は大変評価が高く、快適性と機能性を兼ね備えた人気のホテルチェーンです。
アパホテル
アパホテルの客室
旅館のおもてなしをコンセプトに、サウナや露天風呂を完備した大浴場を擁する施設が多いことが特徴です。ワンランク上の滞在を約束するアパヴィラホテルも展開しています。デュベスタイルを採用した客室が多いことも特徴です。
今回は【寝具】【スリッパ】【無料朝食】【大浴場】について4チェーンの特徴に着目し比較してみました。
※各チェーン共に多店舗に展開していますので、全ての店舗に該当するケースではありません。
寝具
デュベスタイル
あまり気になさらない方もおられるでしょうが、デュベスタイルは、快適性はもちろん、客室のイメージも左右するポイントになっています。デュベスタイルとは、掛け布団をボックス型のカバーに入れて、布団が直接肌に触れないようにしているスタイルのことです。
■アパホテル
デュベスタイルの採用率が高くなっています。客室は他のチェーンと比較して狭めですが、デュベスタイルの効果で客室に開放感をもたらしています。
■コンフォートホテル
最近になってデュベスタイルへの移行が進んでいます。
■スーパーホテル
睡眠に力入れているだけあり、低反発マットレス、ロビーで選べる枕など「眠り」にこだわりを持ちます。デュベスタイルではないものの、掛布団の裏面も摩擦があり寝返りを打ってもシーツはずれにくいです。
ちなみに、布製のカバーでベットを覆い、掛布団とマットレスの間には1枚のシーツが挟み込まれているのみのベッドメイキングスタイルは「スプレッドタイプ」といいます。
スプレッドタイプ
スプレッドタイプの不快感として、特に掛布団自体の材質がポリエステルでツルツルしている場合、掛布団の下に挟まるシーツとの摩擦が弱く、寝返りなどすると布団がずれてしまうことがあります。