電子音楽とCM

ガイド:
じゃ、そうなる事を望みたいと思います。できれば、綺麗な音で聴きたいです。
電子音楽やテクノポップ系の音楽をされている方は、CM音楽を手がける人が多いという印象があります。どのくらいの音楽家がこの業界に関わっているのか、分からないのですが、やはり多いのでしょうか?

岩崎:
僕も最近の事はよく分からなくて……2000年以降、広告の世界も製作費がずっと落ちてきて、GarageBandなんかのソフト以降、誰でも作れる安いものになってきたような。テクノロジーの部分でハードルは下がっているし、やれる人の数も増えたのでしょう。当時は、シンセサイザーが使えると言っても、アレンジ力を補ってもらえる訳ではないし、下手に電子楽器を使うと、しっかりしたものを作らないとちゃっちく聞こえてしまう。だから、アレンジャーが力量を試されると思いますね。

ガイド:
数多くのCM音楽の中でもやはり僕の印象が強いのは、「ハーゲンダッツ」です。岩崎さんの中ではどうなんでしょうか?

岩崎:
仕事としてうまく行くというのと音楽的な達成感というのがある訳で、後者の方、世界感を作り上げるという点では、ブリジストンのREGNOです。映画音楽的な世界感のものができました。

最初、CMの作曲家としてデビューした時は、他と違う事をやらなくてはいけない、そこで目立たなくてはいけないと、センセーショナルなものを狙って作っていましたね。レーベンブロイのドイツ語の「Mein Schatz」とか。実は、アルバム1曲目のドイツ語曲「Hauch Von Mir」と2曲のデモを作ったんですよ。レーベンブロイは「Mein Schatz」が選ばれて、アルバムには両方入れようと。ドイツ語であのようなものは無かったし、かと言って、Kraftwerk的なものをやる訳ではないし。常に売れているものとの距離感は大事なものでしたね。今だから言える事ですが。