データからは見えにくいもの
厚労省、国税庁のデータから、ケアマネジャーの給与はほぼ民間事業所の平均値であることが分かりました。しかし、求人情報サイトなどの統計データを見ると、ケアマネジャーの年収は350万円~370万円程度としています。平均年齢も40歳前後と大差ありません。この数値の差は、求人に出しているケアマネジャーの給与と、実際に従事しているケアマネジャーの給与との差分と思われます。具体的には、男性と女性では扶養家族の差などもあり、女性の給与条件の方が低く出ることがあります。この結果、ケアマネジャーの求人を行う際に、女性の募集を多くしているのであれば、そこから算出されるデータも低くなってしまいます。また、法人による給与の差も考えられます。母体が社会福祉法人や医療法人なのか、NPO法人や合資会社なのか法人形態によって規模もまちまちになります。これに加え、地域による差なども考慮すると、公表されているデータのみでは判断がつきにくいことになります。あくまでも、公表のデータは参考程度にとどめ、地域の実情を調べてみることが重要です。
ケアマネジャーとして働く際に注意したいこと
これからケアマネジャーとして職を探す場合、様々な面から給与等の条件を確認しておいた方が無難です。まずは給与額と雇用形態です。給与額は経験年数を考慮される場合がありますので必ず確認したい項目です。次に雇用形態ですが、常勤と非常勤(契約含む)では賞与などの条件が変わってくることがあります。一般的に常勤の雇用であれば収入が安定していると言えますし、賞与の支給も期待できます。その他、扶養や住宅、資格等の各種手当の確認、昇給や年間休日数も確認しておきましょう。ケアマネジャーとして従事し、生計を立てることは難しいことではありません。しかし、雇用先によっては給与等の条件の差が激しいこともあり、慎重に確認することが大切です。当面の間、高齢者は増え続けるとの試算もあることから、需要は高い職業であることは間違いありません。ただし、介護保険法の改正により、介護報酬額や算定方法などが変更となった場合、給与条件も変わる可能性がありますので介護保険法の動きにも注目する必要があります。