2.住宅ローンの選択等で、大きく異なる購入価格
自分予算で希望のマンションを購入しよう
マンション購入にあたって必要なお金は、住宅価格だけではありません。購入時諸費用、住宅ローンを利用する場合の利息、管理費・修繕積立金・固定資産税・都市計画税等のランニングコスト、その他です。以下にて、A子さんが3000万円のマンションを購入できるかどうかを試算してみます。
●購入希望価格:3000万円の場合
・頭金:1000万円(内、700万円は特例を利用した親からの贈与)
・住宅ローン借入額:2000万円
・総利息額:753万円(固定金利1.93%、35年、元利均等返済)
・購入時諸費用:150万円
・管理費等ランニングコスト:1800万円
A子さんの見込み負担額の合計は5003万円となり、住宅にかけられるお金4800万円を203万円超過してしまいます。できれば、将来のリフォーム費用も見込んでおきたいところです。4800万円という予算の中で、将来の家計に無理なくマンション購入をするには、いくつかの作戦が考えられます。
●住宅にかけられるお金をふやす作戦
- マンション価格を減額し、住宅ローンの借入額を減額する
- 親からの資金援助を増額し、住宅ローンの借入額を減額する
- 住宅ローンの返済期間を短縮し、総支払額を減額する。ただし、毎月返済額が増額となるため、毎月の収支とのバランスチェックが必要
- 住宅ローンの選択によって金利を下げ、諸費用を下げて、トータルコストを下げる
- 住宅ローンの繰り上げ返済など、返済中のコストを下げる
- 収入を増やす(残業?転職?)
- 家計支出を見直しし、収支を増やして積立金に回し、お金をふやす
- 手元お金を運用し、将来のお金を殖やす
いかがでしょうか。(1)から(4)までは購入時の対応。(5)は返済中。そして(6)から(7)は、今すぐスタートできるマネープランニングです。
「自分予算」は、一生涯のお金が不足しないよう、生涯収入、生涯支出、そして生涯収支から住宅にかけられるお金を試算し、住宅購入可能額を導く考え方です。「今、返済できる」から良し、とするのではなく、長期にわたる返済期間を通して、そして一生涯を通して、家計に優しい購入予算をプランニングすることが目的です。マンション購入の自分予算プランニングは、購入予算にとどまりません。自分のお金と真摯に向き合うことは、自分の暮らし方、働き方、生き方と向き合うこと。とても重要で貴重です。