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『ダイアナ』と英国ロイヤルファミリー映画5選(3ページ目)

英国のロイヤルファミリーは映画界で大人気。次々と映画が作られては話題になっています。そこで、今回は英国の王室を描いた作品をピックアップ!『ダイアナ』『英国王のスピーチ』『ブーリン家の姉妹』などをご紹介しましょう。

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド


コンプレックスを克服、国民に愛された王の物語


『英国王のスピーチ』(2010年度作品)

吃音に悩まされた英国王ジョージ6世とその治療をした言語療法士の交流を描いた史実をもとにしたアカデミー賞作品賞受賞作。

吃音ゆえに人前に出るのが苦手なアルバート王子(のちのジョージ6世:コリン・ファース)は、吃音を直すために言語療法士(ジェフリー・ラッシュ)と二人三脚で治療。やがて二人の間に友情が芽生え、吃音は徐々に改善され、ジョージ6世は王の威厳をも身に着けていくのです。

ダイアナもエリザベスも『英国王のスピーチ』のジョージも、本来ならば遠い存在ですが、映画で描かれる彼らの悩みは等身大。だからこそ、人の心を掴むのでしょう。変化を受け入れたり、失敗に苦悩したり、成長に喜びを感じたり……。彼らの喜怒哀楽に共感し、王室が身近に感じられるというのが英国ロイヤルファミリー映画の魅力。『英国王のスピーチ』では、吃音が治らず、王になりたくないと悩むジョージ6世の人間味あふれるキャラクターをコリン・ファースが巧みに演じてアカデミー賞主演男優賞を受賞しました。

監督: トム・フーパー
出演: コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、 ヘレナ・ボナム=カーター、ガイ・ピアース、ティモシー・スポール、デレク・ジャコビ、ジェニファー・イーリー、マイケル・ガンボンほか

ドロドロの愛憎劇はまるで昼メロ!


『ブーリン家の姉妹』(2008年度作品)

16世紀、新興貴族のブーリンが、社会的繁栄と富のために、世継ぎ男子を得られないヘンリー8世に自身の娘たちを差し出したことから起こる姉妹の愛憎劇。

ヘンリー8世に見初められた妹(スカーレット・ヨハンソン)を激しく嫉妬する姉のアン(ナタリー・ポートマン)は、一度は王室を離れますが、連れ戻されてからは野心をむき出しにして、ヘンリー8世の心を射止め、イングランド王妃の座まで登りつめます。ところが男子を産めなかったため失脚してしまうのです。このとき彼女が産んだのは、のちのイングランド女王となるエリザベス!

同じくアン・ブーリンが主人公の映画としては『1000日のアン』もありますが、こちらのアン・ブーリンは、どちらかといえば悲劇のヒロイン。同じ人物でも解釈の違いで、悲劇の人にもなれば悪女にもなるのがアン・ブーリンという女性の面白さです。

監督: ジャスティン・チャドウィック
出演: ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、エリック・バナ、デヴィッド・モリッシー、クリスティン・スコット・トーマス、マーク・ライランス、ジム・スタージェス、ベネディクト・カンバーバッチほか


英国王室が映画化されるのは、ロイヤルファミリーの面々の濃厚なキャラクターがクリエイターの琴線に触れるからでしょう。また現在に至るまでドラマチックなことが次々起こり、まだまだ映画界は英国王室を逃さないのでは? この先、ウィリアム王子やキャサリン妃の物語も映画化!なんて可能性も考えられます。今のうちにいろいろ見ておくといいかもしれませんね。


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