基節骨骨折・末節骨骨折など……指骨骨折とは
指には末節骨、中節骨、基節骨の3種類の骨があります。母指(おやゆび)には中節骨はなく末節骨、基節骨の2つだけで、他の4本には3つの骨があります。指には3種類の骨があります。
この14個の骨のいずれかが骨折した場合、指骨骨折と呼ばれます。掌にある中手骨を含める場合もあります。
<目次>
指の骨折が多い年齢・性差
運動、事故などに伴い発生する骨折ですので、あらゆる年齢層に発生します。一般の人にも発生しますし、スポーツ選手などでもみられます。男性に多い骨折ですが、女性にも発生します。指骨骨折の症状
骨折部位の腫脹、疼痛、隣接する関節の可動域の低下などがみられます。指の形が変形することもあります。指骨骨折の診断
■単純X線単純X線写真は放射線被爆量も少なく、費用もわずか。その場で撮影も終了し当日説明を受けられるので、整形外科では必ず施行します。
指単純X線側面像
■CT
単純X線で診断がつかない場合でもCTであれば診断可能です。
指骨骨折の治療法……保存治療と手術治療
指骨骨折の治療として保存療法、手術療法の2つの治療法があります。■保存治療
初期治療として骨折した骨をもとの状態に戻す整復を行い、シーネで固定を行う保存治療をまず行います。整復の状態がよければ、このまま時間をかけて骨折した部位の骨癒合をはかります。長期間の固定が必要となりますので、運動、仕事の制限があります。
●鎮痛薬
ボルタレン、ロキソニンなど非ステロイド消炎鎮痛薬(NSAIDと省略されます)を用います。
・ボルタレン……1錠15.3円で1日3回食後に服用。副作用は胃部不快感、浮腫、発疹、ショック、消化管潰瘍、再生不良性貧血、皮膚粘膜眼症候群、急性腎不全、ネフローゼ、重症喘息発作(アスピリン喘息)、間質性肺炎、うっ血性心不全、心筋梗塞、無菌性髄膜炎、肝障害、ライ症候群など重症な脳障害、横紋筋融解症、脳血管障害胃炎。
・ロキソニン……1錠22.3円で1日3回食後に服用。副作用はボルタレンと同様です。
どちらの薬でも胃潰瘍を合併することがありますので、胃薬、抗潰瘍薬などと一緒に処方されます。
■手術治療
骨片が多数あるもの、骨欠損があるもの、整復した骨片の位置が正常な位置関係にない場合、関節内骨折で保存的名治療では変形治癒となる可能性が高い場合、保存治療で癒合しない場合などが手術の対象となります。
手術で鋼線と呼ばれる金属で骨片の固定を行いました。
■抜釘術
術後に骨折が治癒した後に固定具を除去します。抜釘術(ばっていじゅつ)と呼ばれます。
手術後に骨折は治癒しました。
指骨骨折の予後
指骨骨折は頻度の高い骨折で、早期の診断治療が大切な骨折です。骨折の部位程度などにより治療後の予後は変わってきます。早期に手外科専門医を受診することをお勧めします。【関連記事】