下腿開放骨折とは

下腿には脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)という二つの骨があります。太くて内側に位置する骨が脛骨です。細くて外側に位置する骨が腓骨です。
下腿骨

下腿には脛骨と腓骨、2つの骨があります。


下腿で傷を伴う骨折が下腿開放骨折です。

開放骨折

表面の皮膚に傷があるものが開放骨折です。


下腿開放骨折が多い年齢・性差

運動や事故などに伴い発生する骨折ですので、あらゆる年齢層に発生します。日本ではバイク事故が一番多い原因です。男性に多い骨折ですが、女性にも発生します。

下腿開放骨折の症状

骨折部位の腫脹、疼痛、骨露出、表面の傷などがみられます。骨折した部位に加重ができませんので歩行は不可能です。救急車を呼ぶ必要があります。

下腿開放骨折の診断

■単純X線
単純X線写真は放射線被爆量も少なく、費用もわずか。その場で撮影も終了し当日説明を受けられるので、整形外科では必ず施行します。

X線像

下腿正面X線像。脛骨と腓骨に骨折を認めます。


■CT
単純X線で診断が難しい場合でもCTであれば診断可能です。CTではコンピューターの計算で骨の3次元画像を得られ、立体をわかりやすく把握できます。
3DCT

下腿3次元CT像。脛骨と腓骨の骨折が認められます。


下腿開放骨折の治療法

■鎮痛薬
ボルタレン、ロキソニンなど非ステロイド消炎鎮痛薬(NSAIDと省略されます)を用います。
  • ボルタレン……1錠15.3円で1日3回食後に服用。副作用は胃部不快感、浮腫、発疹、ショック、消化管潰瘍、再生不良性貧血、皮膚粘膜 眼症候群、急性 腎不全、ネフローゼ、重症喘息発作(アスピリン喘息)、間質性肺炎、うっ血性心不全、心筋梗塞、無菌性髄膜炎、肝障害、ライ症候群など重症な脳障害、横紋 筋融解症、脳血管障害胃炎。
  • ロキソニン……1錠22.3円で1日3回食後に服用。副作用はボルタレンと同様です。
どちらの薬でも胃潰瘍を合併することがありますので、胃薬、抗潰瘍薬などと一緒に処方されます。

■手術方法
傷のある開放骨折では、6時間以内に緊急手術を受ける必要があります。

固定方法は、下腿骨折では一般的な金属製の板とネジによる固定や、髄内釘による固定では、骨膜への侵襲が多く、手術時間が長くなるなどいろいろな制約のため、ごく一部でしか適応がありません。
プレート

プレートと呼ばれる金属製の板とネジで固定する方法。

髄内釘

髄内釘という金属を骨の内部、骨髄の位置に留置し、さらに横ネジを追加します。


上記の方法が使用できない場合、また骨欠損が大きい場合などの、大部分の開放骨折が「創外固定」の適応となります。

創外固定器

創外固定器と呼ばれる、体の外部におかれた固定器と骨に横に打ち込んだ金属製の棒をつなげて骨の固定を行います。

ただ、この手術方法を受けた場合の治療期間は長くなります。下腿骨の癒合にかかる時間も長いので、6ヶ月間の入院治療が必要なこともあります。

骨折部以下の血行が不良な場合、骨欠損が大きく骨癒合が期待できない場合、感染により敗血症を合併し生命にかかわる場合などでは、下腿切断術となることもあります。
下腿切断術

下腿切断術後の状態です。通常は義肢とよばれる装具を作成します。


切断術を受けると、下肢の長さは短くなり生活に影響が生じます。義肢の装着がうまく行けば、日常生活の制限はかなり解消されます。

■抜釘術
術後に骨折が治癒した後に固定具を除去します。抜釘術(ばっていじゅつ)と呼ばれます。

下腿開放骨折の予後

下腿開放骨折は緊急手術が必要な重篤な外傷です。長期間の治療が必要です。できるだけ早く整形外科専門医を受診することをお勧めします。

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