子供のやる気を引き出すには……?やる気がある子の共通点とは
やる気がある子にはある共通点が!
- やる気がある子
- 覇気がある子
- チャレンジ精神が旺盛な子
この逆を行く考え方が、「能力は生まれつき決まっている」という考え方。もし仮に本当に運命が決められてしまっているのなら、子どもだけでなく、私達大人だって投げやりになってしまいかねません。
このカラクリを踏まえると、子ども達のモチベーション、やる気を上げるコツが見えてきます。それは、子ども達に、「一生懸命頑張るっていいな」という感覚を身につけてもらうこと。
「それならば!」と、親は、幼少教育へと走ってしまいがち。でも、お稽古事や塾などで、過剰に予定を盛り込みすぎると、逆に、「ボク(ワタシ)は、そのままでは不十分ということ。これだけたくさんのことをしなければ、ママに認められないんだ」と自尊心を傷つけることに。実際、幼少時の過剰なスケジュールが、10代になって抱える諸問題とリンクしているのではという説もあるのです。
それでは、どうすれば、子ども達に、「一生懸命頑張るっていいな」という感覚を届けることができるでしょうか?その秘訣は、小さい頃のママのほめ言葉にありました。
アメリカの研究で分かったやる気をアップさせるほめ方とは?
最近、アメリカの大学が、「親のほめ方と子どものやる気の関係」についての研究データをまとめました。それによると、3歳までのほめ方が、その子の5年後のモチベーションと比例するというのです。早速、そのデータを見ていきましょう。この研究では、53家庭の親子を7年に渡り、モニターしました。子ども達がそれぞれ14ヶ月、26ヶ月、38ヶ月のときに、各家庭に訪問し、90分間、親子のやりとりを細かく観察。その90分間は、遊び、食事など、ごくありふれた日常のままで過ごしてもらい、研究者達は、親が発した「ほめ言葉」を全て書き取りました。
そして、5年後、それぞれの子ども達に、次のテーマについて質問をしました。
- 能力について
- チャレンジすることについて
- 良い行動について
子供のやる気を引き出すほめ方……努力ほめ VS 才能ほめ
3歳(38ヶ月)までの親のほめ方が、努力ほめ(頑張っている過程をほめるほめ方)の場合
⇒ 5年後、子ども達は、「知性や良い行動は、努力によって磨かれるもの」という見方をする傾向が強かった
つまり、親から努力や過程をたくさんほめてもらっていた子は、7~8歳時に、
- 学校での勉強や日ごろの振る舞いなどは、努力次第で伸びるものだ
- 今できないからといって、その先、ずっとできないとは限らない
この「努力ほめ」に対するのが、その子の持って生まれた素質をほめる、言うなれば、「才能ほめ」。
「あなたは頭がいいから、こんな問題すぐに解けちゃうわね」
のように、100点を取ったことを、その子の努力ではなく、持って生まれた才能とみなしてしまうほめ方です。
この研究では、実際に、才能ほめに徹していた親が非常に少なかったことから、有益な情報は得られなかったようですが、才能ばかりをほめることは、「持って生まれたものが全て」という誤解を子ども達に伝えかねません。
子供のやる気を引き出すには、3歳までのほめ方が重要!
この研究は、3歳までの親のほめ方が7歳のときのやる気を決定づけるという直接の因果関係を証明するまでには至っていませんが、結果を見る限り、「才能ほめ」よりも、「努力ほめ」を使った方が、子どもに断然いい影響を与えることができるのは間違いなさそうです。育児書などでも、「結果ではなく、過程をほめよう」と書いてありますが、この研究は、それをデータとして裏づけた形になります。どれだけ頑張ったかをほめてあげることは、その子の考え方までも磨いてしまうのです!
最後に、女の子のママ向けのデータをご紹介します。この研究では、子どもの性別によって、親のほめ方に違いがあることも分かりました。その研究では、女の子には「才能ほめ」を、男の子には「努力ほめ」を用いる傾向が強かったとのこと。そして、実際、女の子は何か失敗に直面したときに、持って生まれた才能が原因と考える傾向が男の子よりも強いことも分かっています。
「算数や理科が苦手なのは、元々、才能がないから……」
どこかで聞いた言葉ですね。これを踏まえると、女の子のママは、「努力ほめ」を特に意識するといいかもしれません。
*出典:学術誌 Child Development(2013)「Parent praise to 1- to 3-year-olds predicts children's motivational frameworks 5 years later.」より
【関連記事】