介護支援専門員(ケアマネジャー)/ケアマネージャー(介護支援専門員)とは

ケアマネジャーと類似資格について(2ページ目)

ケアマネジャーと類似している資格について説明します。本記事では、介護福祉士、社会福祉士、社会福祉主事の福祉系資格について取り上げています。

執筆者:鈴木 康修

社会福祉士

社会福祉士は国家資格であり、「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づいて制定された資格です。ソーシャルワーカーとも称され、相談援助従事者の基礎資格となっています。社会福祉士も介護福祉士と同様に名称独占の資格のため、社会福祉士ではない者が相談援助を行うことができます。社会福祉振興・試験センターによると、平成24年のデータでは介護福祉士が約109万人、社会福祉士が約16万人となっており、社会福祉士が少数です。

特別養護老人ホームなどの介護保険施設では、入所者の生活相談を行う生活相談員などに社会福祉士等が配置されています。生活相談員として従事するには、社会福祉士の資格所持者が優遇されていますが、施設によってはケアマネジャーや介護福祉士の有資格者の中から生活相談員として配置していることもあります。ケアマネジャーの業務が利用者の課題を抽出し、介護保険サービス等の調整を計画に基づいて行うのに対し、社会福祉士は相談援助の専門職として、社会福祉全般のサービス、社会資源を活用することが特徴となっています。

社会福祉主事

社会福祉主事は国家資格ではなく、任用資格です。任用資格とは、特定の職務に任用されて初めて効力を発揮するもので、社会福祉主事の場合はケースワーカーなど行政における職務に就いた場合となります。つまり、福祉事務所のケースワーカー等でなければ任用資格の効力は発揮できません。社会福祉法第18条第3項、第4項によると、社会福祉主事の職務は「生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法に定める援護、育成又は更生の措置に関する事務を行うことである」とされています。介護保険法の記載がないので、ケアマネジャーと類似しているというわけではありませんが、社会福祉士とは類似しています。

前述のとおり、特養の生活相談員等の資格要件を社会福祉主事としている施設も多く、効力を発揮できずとも、福祉全般に関しての知識を有する者として判断の指標となる資格と言えます。社会福祉主事任用資格を取得するには、厚生労働大臣の指定する養成機関又は講習会の課程を修了した者、大学等で社会福祉主事任用資格選択必修科目のうち3科目以上修得して卒業した者、社会福祉士資格所持者等である必要があります。

医療や福祉には多くの専門職が配置されています。中にはダブルライセンスやトリプルライセンスを所持し、幅広い活動をしている方もいます。特に、ケアマネジャーとして活躍する際には、介護福祉士や社会福祉士、看護師などの有資格者とも連携をすることも多いので、それぞれの資格について理解を深めておいた方が良いでしょう。





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