理想のウォークインクローゼット
ファッションアイテムのローテーションは誰しも偏りが出てしまう。主な原因は、合わせやすさやお気に入りの度合いによるもの。そんな一般論に異を唱えたいわけではないのだが、ひょっとしてそれは「頻繁に取り出されるがゆえに(つまり、一番手に取りやすい所にいつも置かれているから)起こる現象ではないか」という仮説は成立しないだろうか。高級マンションのクローゼットを設える場合、外してはならない条件がいくつか存在する。「収納」とくれば「量」と返ってきそうだが、ひとつだけ挙げよと云われれば、それは「閲覧性」と答えなければならない。いかにコーディネートがしやすい空間であるか、が最も重要なファクターなのだ。だから、姿見とディスプレイテーブルは自ずと必須となる。
仕舞う場所ではなく、仕度部屋。本来のウォークインクローゼットでそうであるなら、そのスペースはワードローブのボリュームが異なる季節ごとに増減しても良いはず。ましてや住み替えの多い人は、空間に柔軟に対応できるウォークインクローゼットシステムが望ましい。モルテーニの「Gliss Walk-in(グリス ウォークイン)」はまさにそんなニーズに対応できるシリーズ。サイズやカラーはもとより、サイドパネルさえカスタマイズの対象というから驚きだ。ちなみに上の画像にある一式のプライスは4,100,250円(税込)。
フォルムが変わらない伸縮テーブル
タブレット端末の普及は現代人の生活様式に多大な影響をもたらした―そんな研究レポートが数年後に発表されるのかどうか定かではないが、少なくとも自室や書斎に閉じこもっていた時間を減らした事だけは確か。では、どこに移動したのか。一般的に申し上げるならば、ソファかダイニングテーブルとなるだろう。小学校までは親の近くで(それは往々にしてダイニングテーブルになるのだが)学習するのが望ましいとはすでに周知された考えのひとつで、キッチンに近く、リビングにも近いダイニングテーブルのロケーションは何かと汎用性の高いゾーンになっていった。
したがって、「用途に応じて作業台(食事テーブル)が伸縮すれば望ましい」とは、今にはじまった要望でもないのだが、いかんせん短くした(あるいは長くした)ときの意匠に好みが分かれがちであった。主と従の関係が露わであったり、からくりがひと目でわかったりというふうに。
エクステンション(伸縮)機構を備えたダイニングテーブル「Filigree(フィリグリー)」は、カタログで見るより実際が美しい。何より発想そのものがスタイリッシュだな、というのが第一印象だ。拡大用天板を仕舞う場所や方法、伸縮するフレームの構造など。ぜひ一度実物を。下の画像はフィックスタイプ(エクステンション機構なし) サイズ:W.2980 D.1200 H.740mm 価格:1,123,500円(税込) 仕様:天板/セラミック白、脚部/アルミニウム磨き仕上。FLOSのテーブルスタンド「MAYDAY」が大きなテーブルの多様性を物語っているようだ。
テイストを選ばない「SONA(ソーナ)」
専らハイエンドモデルを扱ってきたブランドが普及帯にラインナップを広げていくという戦略は、いまや世界共通に見られる現象のようだが、アルフレックスジャパンもその例外ではない。昨今マンション業界では、圧縮プランといって専有面積の小さい住戸が目立つようになってきたが、そのしわ寄せは当然家具レイアウトにも及ぶ。「ピッチをより細かく」、「少数世帯にも対応できるサイズを」、「背もたれを薄く」。限りある経営資源が器(住宅)に合わせた開発ばかりに向かうのではないかと危惧するが、今回の新ラインナップはプロダクトアウト型らしいマイナーチェンジではないか。ロングセラーソファ「SONA(ソーナ)」のパイピング仕様だ。
エッジを綺麗に見せるためのファブリックの追加かと思いきや、そのためにわざわざクッションまで改良を施している。通常は経年とともに座面前方部(の布地)は下がりやすくなっていくが、ウレタンの硬度を部分的に強化することでクッションの形状を保ちやすくするとともに、クッションとクッションを包むヌード生地のズレを抑える工夫を加えた。それらにより、パイピングの美しいラインが長期間保てるようになったという。新たなデザインが「場(テイスト)を選ばない」イメージを一層強めたことは言うまでもない。
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