家計管理の達人までの道のりは遠い……
家計達人への4つのステップ
いろいろなご家庭の家計相談を行っていると、家計管理が上手にできている人、苦労しながらもなんとかできている人、あるいは、頑張っているのだけれども、上手くいっていない人などさまざまです。よく、人が学習し、成長するためには4つの段階があると言われています。その「学習の4段階」を家計管理に当てはめてみると、家計管理の達人になるための道筋が見えてきます。家計管理の達人への成長のプロセス (C)FPオフィス Life & Financial Clinic
■Step 1・家計管理の未熟者:
無意識的無能(知らないし、できていない状態)
無意識的無能とは、あることに関して、何も知らず、知らないということもわかっていない状態をいいます。家計管理に当てはめて考えると、自身の家計の状況が危機的な状態であるかどうかもわからず、また家計管理の方法も知らないため、何も手立てをしていない状態です。無意識的無能にも2つのタイプがあって、家計管理に全く無関心・無頓着であるパターンと、なんとなく危機感を抱いているパターンです。マネー関連の記事を読んでいる読者の方々の場合、なんとなく危機感を抱いている後者のパターンの人が多いのではないでしょうか?
■Step 2・家計管理の初心者:
意識的無能(知っていてもできない状態)
意識的無能とは、あることに関して、知識を持っているが、実践できていない状態をいいます。家計管理に当てはめて考えると、自身の家計の状況についてある程度わかっていて、家計改善をしなければならないと思っていて、家計改善に取り組んでいるけれども、上手くいっていない状態です。大部分の方は、この意識的無能の状態なのではないでしょうか。家計相談にいらっしゃる方も、家計管理に危機感は持っているのだけれども、貯金しようと思っても毎月思うようにできないので、アドバイスが欲しいという方が多いです。
■Step 3・家計管理の実践者:
意識的有能(意識しているとできる状態)
意識的有能とは、あることに関してある程度できるようになっているけれども、それを行うためにはある程度の集中力が必要な状態です。家計管理に置き換えると、家計簿をつけたり、日々の節約を意識して行ったりすることにより、毎月の貯金の目標を達成している状態です。この状態でも家計管理が行えているという点では素晴らしいのですが、継続的な努力が必要な状態が続いています。一度、挫折してしまうと、また、意識的無能に後戻りしてしまう恐れがあります。
■Step 4・家計管理の達人:
無意識的有能(意識していなくてもできる状態)
無意識的有能とは、意識しなくてもあることが実践できている状態です。家計管理に置き換えると、家計管理が習慣付けられていて、節約や貯金を意識しなくても自然に貯金ができる状態です。確かに、FP相談にいらっしゃる人の中には、家計簿をつけていなくても、自然にお金は貯まるし、家計全体の状況も把握しているという人もいらっしゃいます。日々の節約にストレスを感じることなく、自然とお金が貯まる、家計管理の達人が最終的な到達目標といえるでしょう。
>>家計管理の達人になるための「3つの壁」とは?