大型センサーのメリットとは
大型センサーを搭載したコンデジはハイエンドモデルなので、ぜひその性能を引き出していただきたい
デジタルカメラの画質を決める3大要素は、レンズ、センサー、画像処理エンジンと言われています。特に効果的なのが大型センサーの搭載ですが、これは即、価格に跳ね返ってくるのでメーカーも安易に採用できません。搭載するなら、高価なハイエンドモデルで、開放絞り値の明るい高性能レンズと最新型の画像処理エンジンを組み合わせて万全の態勢で製品化するでしょう。こうして生まれたコンデジの中には、ミラーレスよりも写りが良い、一眼レフを超えたとの高評価を得ているモデルもあります。大型センサーに厳密な定義はありませんが、1型センサー以上と決めて、これに該当するコンデジをリストアップしました。
●35mmフルサイズ
ソニー「Cyber-shot RX1R」レンズ/35mmF2
ソニー「Cyber-shot RX1」レンズ/35mmF2
●APS-Cサイズ
リコー「RICOH GR」レンズ/28mmF2.8
ニコン「COOLPIX A」レンズ/28mmF2.8
ライカ「Leica X Vario 18430」レンズ/28-70mmF3.5-6.4
ライカ「Leica X2」レンズ/36mmF2.8
富士フイルム「X100S」レンズ/35mmF2
富士フイルム「X100」レンズ/35mmF2
シグマ「SIGMA DP3 Merrill」レンズ/75mmF2.8
シグマ「SIGMA DP2 Merrill」レンズ/45mmF2.8
シグマ「SIGMA DP1 Merrill」レンズ/28mmF2.8
●1型
ソニー「Cyber-shot RX100M2」レンズ/30-108mmF1.8-4.9
※焦点距離は35mm換算で表記
高画質を追求すればするほど、レンズもセンサーも大きくなってしまい、コンデジのコンセプトからかけ離れたサイズになってしまいます。一般的なコンデジと同様に扱えるサイズはAPS-Cサイズセンサー搭載モデルまででしょう。価格的にアンダー10万円のモデルも増えてきます。それでは大型センサーを搭載したコンデジは、一般的なコンデジとどこが違うのでしょう。まず、センサーサイズが大きくなれば同じ開放絞り値のレンズを搭載していても背景がボケやすくなります。みなさんもご存じのように、絞り値が明るいレンズほどボケは大きくなります。しかし、現実的にはコンデジはイマイチボケないと感じたことはありませんか。その理由はセンサーが小さいからです。スペックを比較しただけでは分かりませんが、ボケ味は確実に変わっています。さらに、高感度での画質がキレイです。今までISO800が許せる画質の限界と思っていたのが、1型センサーならISO1600も許容範囲になるかもしれません。高画素になったセンサーに合わせて、高解像でボケ味の美しいレンズが搭載されるはずなので、トータルでの画質向上も見逃せません。
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