不動産査定・土地査定/土地査定・不動産査定の基礎知識

路線価から査定金額を算出してみる(2ページ目)

相続税や贈与税などで、課税される不動産の評価を算出するための指標となる価格のことを路線価と言います。市場で取引・売買される「市場価格」とは異なるものです。つまり「路線価を元に算出した不動産の価値=市場で取引される価格」という訳ではありません。路線価図の見方を理解することができれば、それなりの精度の査定価格を自ら算出することも可能です。

楯岡 悟朗

執筆者:楯岡 悟朗

土地活用・不動産査定ガイド


実際に金額を出してみる

路線価はその路線(道路)に接している土地の評価を表すものですが、その線上にある不動産全てがその価格で評価されるわけではありません。なぜなら土地の形上や間口の広さなどにより実際には評価が補正されるからです。一般的には地型が正方形に近く、道路に面している距離(間口)が長い程、評価が高くなります。

例えば路線価が前ページに記載の460Cとすると、坪単価は約151万円です。市場で取引される価格の7割~8割が路線価と言われています。(今回は仮に7割とすると)市場で取引される価格の坪単価は約220万円となります。この坪単価を、自ら査定を行う際の基準価格と考えます。

この基準価格を参考に、評価が高い点(角地、整形地など)と低い点(間口が狭い、敷地延長、変形地)を自ら評価して、「間口が狭いから坪単価が20~30万低くしないとダメかな」「角地だからもう少し高くてもいけるな」といったように自分なりに補正をかけて金額を算出していくのです。

自ら査定金額を出すことの効用

プロの不動産会社は、豊富な経験やレインズのデータによって、評価が高くなるとどの程度金額がアップするのか、もしくはマイナスされるのかの知識をもっています。ですからこのように路線価をもとに自ら査定を行ったとしても、不動産会社と同じ精度の査定金額を出すことは不可能です。

しかし、こうした誰もが利用できるデータを参考にして、ある程度の査定金額を算出できるのは大きな武器になるはずです。例えば、不動産会社が提示した金額と、自身が算出した額に差があるときには、どうしてそのような差が付いたのか聞いてみることで、提示された金額の信頼性も増し、金額に納得して売却活動を始めることもできます。

また、買いかえの場合、自分がこれから購入しようとするエリアの物件を、自分なりに査定してみることで、この物件が相場に比べて高いのか安いのか?高いとしたらなぜか?安いとしたらどうしてか?効果的で的確な質問を行うことができるようになります。ぜひ、ご自身の不動産売却や購入の際に取り入れてみてください。
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