不動産査定・土地査定/土地査定・不動産査定の基礎知識

不動産売却「一括査定」の仕組みと使い方

不動産売却の前に避けて通れないのが「査定をすること」です。最近は、ウェブサイトを通じ複数の不動産会社に同時に査定を依頼することができます。「一括査定」と呼ばれるこの仕組みとメリット・デメリットについて、さらに「よりよい使い方」について伝授します。

風戸 裕樹

執筆者:風戸 裕樹

不動産売却・査定ガイド

最近話題の、ウェブサイトを通じて複数の不動産会社に同時に査定を依頼できる「一括査定」の仕組みと使い方について解説します。

「一括査定」の仕組みと利用方法

「一括査定」とは、ウェブ上のフォームに物件情報を入力し送信すると不動産会社から査定価格が届く仕組みです。一括査定サイトなどと呼ばれていますが、「オンライン一括査定」や「瞬間一括査定」という名称を使っているサイトもあります。どれも仕組みや使い方は同じで、マンション・一戸建て・土地など幅広い不動産の査定を行うことができます。

使い方はとても簡単です。サイト内のフォームに、査定を依頼する物件の住所や面積などの情報を入力していくと、査定を担当する不動産会社名がずらっと並びます。一般的には3社~10社ほど出てきますので、その中から、不動産会社を選択し問い合わせをすると、依頼した会社の担当者からメールもしくは電話で査定結果が通知されるという形です。

「一括査定」のメリット

このように、一括査定サイトはフォームに一度入力し送信するだけで複数の会社からの査定価格を取得できることで、手間が省けて便利です。一括査定サイトは無料ですので、手軽に利用できることから利用者が増えています。

一括査定サイトによっては、登録されている不動産会社が20社~30社もあります。不動産会社を一回で全ての不動産会社を選ぶこともできますし、会社名を自分で選択し自分が査定を依頼したい不動産会社だけを選ぶことができます。この会社には個別で相談したことがあるとか、この会社はあまり好きじゃないから避けたい、といった場合でも利用できます。

一括査定

便利な「一括査定」

実は、査定を依頼するエリアや種別によって依頼できる会社(一括査定サイトで表示される会社)が変わっていることをご存知でしょうか。エリアや種別だけではなく、より細かい条件でも依頼できる会社の表示が切り替わっているのです。例えばマンションを選択した場合、ワンルームマンションや投資用マンションだけを扱う会社、ファミリーマンションをメインに扱う会社など、エリアや種類だけではなく、細かい条件に応じて査定を依頼できる不動産会社が変わるのです。これは、不動産会社が一括査定依頼を受けたいエリアや種別の他に面積の条件も一括査定サイトに指定しているからです。それぞれの不動産会社が営業できるエリアだけではなく、サービスを提供できる種別で分けられているのです。

「一括査定」のデメリット

「一括査定」を依頼すると、電話が止めどなくかかってくることがあります。一括査定サイトは1社だけに査定お願いするわけではないため、不動産会社は「競合する他社よりも先に連絡をしなくては」という競争意識にかられます。そのため、誰よりも早く売り手とコンタクトを取りたいという意思が働きます。その分依頼から連絡までのレスポンスも早いのですが、多くの会社を選択した場合、会社の整理がつきづらく面倒になってしまうことがあります。

5社前後に依頼した場合でも、どの会社を選んだかの区別はつきづらいものです。多くの会社を選びすぎると、その後の対応が大変になります。また会社によっては、ダイレクトメールなどの郵送も多く来ることがありますので、「単に価格を知りたかっただけ」、「面倒な営業は避けたい」という方は、会社数を絞って依頼することをおすすめします。

また「一括査定」は、多数の会社に一気に問い合わせができることで売り手が調べつくしたと思ってしまいがちです。しかし、一括査定サイトに登録している不動産会社は大手から中堅の仲介会社が多く、地元で活躍している有名な会社や、自社のサイトや店舗広告だけで営業をしている会社に依頼できないことがあります。不動産会社を全て網羅できていないことは理解した上で利用しましょう。

次のページは、「一括査定」を上手に使いこなす方法についてです。
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