大学を卒業しても就職できるとは限らない?

子どもが大学まで進学した場合、小さい頃からかけてきた教育費の累計は、進路にもよりますが1000万~2000万円程になります。しかし、大学を卒業しても全員が就職できるわけではありません。

「大学に入る」だけではなく、無事に卒業し、なおかつ安定的な職を得て初めて、教育費の投資効果が表れると言えそうです。
 
大学卒業後の就労状況を見ていきましょう

大学卒業後の就労状況を見ていきましょう

 

データから見る大学卒業後の状況

文部科学省「学校基本調査」の中には、大学新卒者の「卒業後の状況」のデータが整理されています。2018年5月1日時点のデータで、卒業後の状況を見てみましょう。

大学卒業後の状況(2018年5月1日、文部科学省「学校基本調査」より)
※( )内は割合と、前年比アップ↑ダウン↓

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卒業者 56万5436人(↓)
進学者 6万1655人(10.9%↓)
就職者 43万6097人(77.1%↑)
・うち正規職員等   41万9037人(74.1%↑)
・うち非正規職員等  1万7060人(3.0%↓)

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データ内の「就職者」は経常的な収入を得る仕事(自営業含む)に就いた人を指しています。この中には、正規職員等だけでなく、非正規職員等も含まれます。

「非正規職員等」は、雇用期間が1年以上の期間の定めがあって、なおかつ週の労働時間が40~30時間の契約社員や派遣社員を指しています。
 

大学院等への進学率は2010年をピークにダウン

まず、大学卒業者の大学院などへの進学率はゆるやかな上昇傾向でしたが、2010年3月卒業者の15.9%をピークに低下を続け、2018年は過去12年間で最も低い10.9%となっています。

一方で、就職率が落ち込んでいた時期は、就職浪人として大学院へ行っていた層もいたかもしれませんが、ここ数年の就職率の改善のおかげか、反比例するかのように進学率は下がっています。家庭の経済事情などを反映してのことかもしれませんが…。 
 

大学卒業後の就職率は過去21年で最高に!

大学卒業後の就職率は、2010年に68.4%→60.8%と急落したものの、その後は上昇し続け、2014年は69.8%と急落前の水準へ回復しました。

その後も上昇を続け、2018年は77.1%と過去21年間で最高となっています。少子化による人手不足が顕在化してきたせいではないかとみられています。

ただし、この「就職者」の中には、契約社員や派遣社員など「非正規職員等」も含まれています。
 

大卒の約9人に1人が就職できない!?

就職率が過去21年で最高をマークしているにも関わらず、大学を卒業後も就職できない学生もいます。

「一時的な仕事に就いた者」「進学も就職もしていない者」を合計すると約4.9万人となります。調査の中では、これらがまとめて「安定的な雇用に就いていない者」と整理されています。

安定的な雇用に就いていない者の内訳
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一時的な仕事に就いた者【A】 8684人(1.5%↓)
進学も就職もしていない者【B】 3万9854人(7.0%↓)
【B】進学準備中、就職準備中、家事手伝い、青年海外協力隊、ボランティア

安定的な雇用に就いていない者=【A】+【B】=4万8538人(8.5%↓)

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就職率が右肩上がりに上がる中、「安定的な雇用に就いていない者」の割合は右肩下がりになっています。

しかし、個人的には、「正規の職員等でない者」(1.7万人)を「安定的な雇用」としていいのか疑問に思います。むしろ、「安定的な雇用に就いていない者」に加えるべきではないでしょうか。この数をプラスすると、「安定的な雇用に就いていない者」の数は6.5万人となり、割合は11.5%。つまり、「約9人に1人」となります。

最近は、「就職率」から進学する大学や学部を選ばせようとする親も増えているように思いますが、それも致し方ないことかもしれません。
 

教育投資はハイリスク投資と心得えたい

長年にわたってたくさんの教育費をかけてきても、「出口」の段階で就職に結びつかなかったり、大卒ニートになってしまった場合など、親としては報われない気持ちになるでしょう。

約9人に1人が就職できない現実を見ると、教育投資はすでに「ハイリスク投資」になっていると言えるのかもしれません。もはや青天井でたくさんかけることだけが、教育投資の成功への道ではない時代と言えそうです。

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