公的手当/高齢者や介護者のための手当・給付金

まだまだ元気!高年齢雇用継続給付を活用して働こう

平均寿命が男性80歳、女性86歳の時代、60歳はまだまだ元気です。60歳以降も雇用保険に入って働き続け、一定要件を満たしていれば、高年齢雇用継続給付が支給されます。

拝野 洋子

執筆者:拝野 洋子

ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 / 年金・社会保障ガイド

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高年齢雇用継続給付は2種類ある

在職老齢年金

在職老齢年金をもらいながら働こう!雇用保険からも給付が出るの?

高年齢者雇用安定法によって60歳以降の継続雇用が進んできているとはいえ、60歳を過ぎると賃金が下がってしまうケースは多いのではないでしょうか? 雇用保険では、60歳以降の人のための雇用継続給付が支給されます。

高年齢雇用継続給付は、次の2種類があります。

高年齢雇用継続基本給付金
原則、失業(基本)手当を受給していないで働き続け、60歳以降賃金が75%未満に下がった雇用保険の一般被保険者(所定労働時間が週20時間以上)に、65歳までの間、賃金の最大15%まで支給されるものです。

高年齢再就職給付金
いったん会社を退職して失業(基本)手当を受給し、60歳以降に再就職した場合、失業(基本)手当の支給残日数が100日以上ある雇用保険の一般被保険者に支給されます。再就職手当も受給できる場合は、どちらか選択します。

高年齢雇用継続給付の支給対象となる人は?

高年齢雇用継続基本給付金が支給されるには、次の1~3の要件を、高年齢再就職給付金は1~4の要件を満たしている必要があります。

  1. 60歳時点に比べて賃金が75%未満に低下していること
  2. 雇用保険の被保険者であった期間(雇用されていた期間の全て)が通算5年以上あること
  3. 60歳以上65歳未満の雇用保険の一般被保険者(所定労働時間が週20時間以上)であること
  4. 高年齢再就職給付金は、再就職前日における基本(失業)手当が100日以上残っていること

※高年齢雇用継続給付は、60歳以降に雇用保険の一般被保険者であることが条件です。自営業に転身した場合(事業主は雇用保険に入らない)、会社に残っても取締役等(兼務役員は除く)になった場合、高年齢雇用継続給付は支給されないので注意してください。

高年齢雇用継続給付の支給額は?

60歳到達時の賃金月額と比較した支給対象月の賃金額の低下率(61%~75%)に応じた支給率(0.44%~15%)を、支給対象月の賃金額に乗じた額が支給されます(上限額、下限額あり)。

例えば、60歳時の賃金月額が30万円の場合、60歳以降の支給対象月に支払われた賃金が……
  • 26万円:75%未満に低下していないので支給されません
  • 20万円:低下率66.67%(支給率7.8%)なので、20万円×7.8%=1万5600円支給
  • 18万円:低下率60%(支給率15%)なので、18万円×15%=2万7000円支給
早見表

高年齢雇用継続給付の給付金早見表


次のページでは、支給申請手続きや支給期間などについて確認しましょう。
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