「家がどうやってつくられているのか知っておきたい」からセルフビルド

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リビング方向から玄関方向を見たところ。左手側の白い壁面は須藤さんご夫妻が塗装した


― リノベーションの施工は、どちらへ依頼されたのですか?

剛さん:施工は、当初は自分たちでセルフビルドで行いたいと思っていました。ですが、当時は二人とも会社勤めだったので、現実的には難しかったんです。そこで、『HandiHouse Project』のみなさんに家づくりをお願いすることにしました。

― なぜ、セルフビルドによる家づくりをしたいと思われたのですか?

剛さん:設計の仕事をしているとはいえ、毎日現場にへばりついているわけではないので、どのように建築工事が行われていくかについての知識はあっても、実際の様子や過程は断片的でした。設計士としての想いもありましたが、何よりそこに住む身として、家がどうやってつくられていくのか、ちゃんと知っておきたかったんです。

― 『HandiHouse Project』のみなさんは、どういった活動をなされているのですか?

剛さん:その空間を使う人や住む人とデザインを一緒に考え、自分たちの手で一緒につくるという空間づくりを提案している集団です。以前に、彼らとそのお客さんが実際に家づくりをしている現場で行われた塗装ワークショップに参加したことがあったんです。まだ住宅購入の具体的な話は出ていなかった頃で、なんとなくDIYに興味があったので参加したのですが、今回、自宅をリノベーションするにあたって彼らのことを思い出し、相談をしました。
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土間玄関に入ると、キッチンが出迎える。キッチンの上部はルーバーにして、配管を隠しつつ抜け感も確保


― 『HandiHouse Project』とは、どのような形で家づくりを進めていったのですか?


由紀恵さん:当時は二人ともフルタイムの会社勤めで、施工への100%の参加が難しかったので、設計を主人が、施工は『HandiHouse Project』のメンバーが基本的に担当し、部分的に私たち夫婦も工事を担当するという形で進めました。

剛さん:普通の工務店に施工を依頼したとしても、お願いすれば現場を見学することはできます。でも、『HandiHouse Project』は「施主も一緒につくる」がコンセプトなので、一緒に話し合いながら家づくりできることが魅力でした。

セルフビルドを取り入れた家づくりで得た「感動」と「安心」

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左上から時計回りに/リノベーション前の室内/既存内装を解体した後の室内/HandiHouse projectのメンバーの指導を受けながらセルフビルドに挑戦/完成後の住まいでHandiHouse projectのメンバーと


― 須藤さんご夫妻は、実際の工事にはどのくらい参加なされたのですか?

由紀恵さん:大体週に1~2回、仕事が休みの日に現場に行って作業をしました。もともとの壁仕上げを撤去して出てきたボンド跡をとる「ケレン」という作業や、壁の下地材の表面を磨く「サンダー掛け」、建具のワーロンシート貼りや、壁やキッチン上のルーバーの塗装などをやりました。

剛さん:「
ちょっとだけDIYしてみたい」といって参加し始めた妻でしたが、通ううちにどんどん積極的に参加するようになっていって。工事の途中で、妻が元美術部だったことがメンバーに知られると、担当作業がさらに増えたそうです(笑)。

― 工事に参加されてみて、いかがでしたか?

由紀恵さん:施工期間は5月から7月の2ヶ月間。暑い時期の工事で大変でしたが、休憩時間に『HandiHouse Project』のメンバーたちとアイスを食べながら談笑したり、和気藹々と楽しく作業することができました。初めての作業ばかりで苦労もありましたが、完成したときにはものすごく感動しました!

剛さん:メンバーとは、ともに家づくりした「仲間」という感じで、完成後も会ったり、やりとりしています。どんな風に空間ができ上がっていくのかを体験しながら家づくりできたことは、設計士としていい経験になったし、今後、この家に暮らす上での安心も得ることができました。

>次ページでは、完成したお住まいについて伺いました。