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『キッズ・リターン 再会の時』と屈折青春映画11選(2ページ目)

北野武監督の青春映画『Kids Return キッズ・リターン』のマサルとシンジのその後を描いた『キッズ・リターン 再会の時』。この苦み走った青春映画をトップにすえて、洋画と邦画の屈折した青春映画をピックアップ。けっこうあって驚きましたよ~。では、青春のダークサイドを覗いてみましょう!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

少女たちの危なくて苦い青い記録

少女たちの青春に体を張ったケンカはないけれど、心が壊れていたり、性に目覚めたり、家庭環境に問題があったりと、複雑な事情を秘めています。女の友情ってややっこしいしね、そのあたりの面倒くささもよ~く描かれた少女の屈折を見てください。

『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』(2003年度作品)


13歳の少女(エヴァン・レイチェル・ウッド)が学園でいちばんクールな女の子(ニッキー・リード)と仲良くなっていくにしたがって、悪の道へ堕落していく様を描いたハードな青春映画。

「ちょっと目立つグループに入りたいな。あ、リーダーの子に声かけられちゃった。嬉しい、ついて行っちゃおう! え、万引き? ヤバイヤバイ、あ、やっちゃった。まあいいや!」と、こんな感じでヒロインは暴走していくのですよ。やがて誰もが経験したであろう「何もかもがムカつく!」という十代の感情が爆発し、反発することが癒しだと勘違いしてしまうヒロイン。娘の変化に母は苦悩し、何としてでも娘を取り戻したいと壮絶な闘いを繰り広げます。その姿は見ていて辛いけど、彼女たちの激しい感情に飲み込まれてしまうパワフルな作品。

ヒロインを堕落させる少女を演じたニッキー・リードの実話の映画化ゆえに、リアルな感情が渦巻いています。

監督: キャサリン・ハードウィック
出演: ホリー・ハンター、エヴァン・レイチェル・ウッド、ニッキー・リード、ジェレミー・シスト、ブラディ・コーベット、デボラ・カーラ・アンガー、キップ・パルデューほか


『ゴーストワールド』(2001年度作品)


高校を卒業しても進学も就職もせずフラフラしている少女二人イーニド(ゾーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)は、出会い系の告知で中年男(スティーヴ・ブシェミ)をひっかけ、待ちぼうけをくらわせ、ほくそ笑む。けれど、イーニドはなぜか彼のことが気になり……。

自分たちのセンスを周囲はわかっていない、男子はチャらいアホ女ばかり追いかけてバッカじゃないの!と毒づいてばかりのヒロインのイタイ行動の数々は、自分の居場所が見つからないハイティーンの辛い心の裏返し。同級生はみんな大人の階段を昇っていくのに、自分だけ置いて行かれ、みんなができることができない惨めさを悪態ついてハネのけようとするヒロインの気持ちには賛否両論、感じ悪いと言う人もいるでしょう。しかし、個人的には、はい、大共感! サブカル系女子のバイブルとも言える映画です。

監督: テリー・ツワイゴフ
出演: ゾーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーヴ・ブシェミ、ブラッド・レンフロー、イリアナ・ダグラス、ボブ・バラバン、テリー・ガーほか


※お次は繊細な男子たちの青春映画をご紹介!

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