旧機種からスペックダウンしたところも
その他、スペックで気になる点に触れておこう。BluetoothとWi-Fiのスペックは、それぞれVer 3.0とIEEE 802.11b/g/a/n対応となっており、いずれも最新規格(Bluetooth 4.0とIEEE 802.11ac)には対応していない。すでに発売されている他社の最新機種の中には、いずれの技術に対応しているものがあるため、見劣りすることは否めないところだ。またカメラの仕様も、イン/アウトともにそれぞれ200→120万画素、800→500万画素へと、旧機種からスペックダウンとなっている。実使用上は大きな差はありませんが、カメラにこだわりを持つ人にとっては、気になるところではある。
さて、実際の使ってみての感想だが、パフォーマンスに関しては前述の通り現在のスマホ/タブレットの中では最高クラスであり、不満を感じることはほぼないだろう。ストレージも32GBとなっており、アプリのダウンロードやドキュメントの保存といった用途ではほとんど不満はなく、また本体にはmicroSDXCカードスロットが、キーボードドック側には、SDHCカードスロットが搭載されているので、重要ではないデータはそれぞれのスロットにSDカードを搭載することで、容量不足を回避できる。
タブレットスタイルで使用した場合、単体で約585gという重量は、他の10インチタブレットより重いわけではない。しかし、ずっと手に持ち続けるには、少々辛い重量なのは確かで、TF701Tを使った後に画面サイズ4インチのスマホや7インチのタブレットに持ち替えると、正直なところホッとすることは否めない。
また、キーボードドックとドッキングさせクラムシェル型とした場合、約1.1kgという重量になる。最近のWindows搭載のUltrabookが1kgを軒並み切っている中では、軽さにおいてはアドバンテージはないが、最大で17時間のバッテリー駆動というのは、Windowsノートにはなかなか真似のできないところ。実際の動作時間は利用状況に応じて短くなるが、一般的な仕事で利用ならば、外回りや出張で丸二日間、充電なしでもギリギリ何とかなってしまうほどだ。
ソフトウェアに関しても、ASUS独自に工夫が随所に見られる。OSはAndroid 4.2.2となっていますが、ホームアプリに関してはカスタマイズされたもの。基本操作は一般的なものですが、ホームボタンの長押しでアプリやファイルへのショートカットメニューが表示できたり、ホーム画面に独自のフローティングアプリを配置できたりといった特徴がある。
また、プリインストールアプリも充実しており、手書きメモやアプリロックツール、ASUS独自のクラウドストレージアプリの他、電子書籍やゲームセンターアプリも用意されている。オリジナルアプリは、いずれも高機能で十分に練られているものなので、一度使ってみることをオススメする。
一方、気になるところもある。ひとつ目がBluetoothが3.0までの対応となっているところだ。最近は、Bluetooth 4.0に対応した省電力仕様の周辺機器が増えてきており、TF701Tではその恩恵が受けられない。ふたつ目に気になるのが、独自の給電コネクタだ。ASUSのTransformerシリーズは初代から同じ給電コネクタになっており、いざという時の入手が難しいのが残念だ。
キーボード+長時間駆動にこだわる人へ
さて、最後にまとめよう。「ASUS Pad TF701T」はプロセッサの性能と2,560×1,600ピクセルの10.1型IGZO液晶という、最高レベルのパフォーマンスを備えている。加えて、追加バッテリ内蔵のキーボードドックとあわせて利用することで、ノートPCスタイルでの長時間利用も可能にする。したがって、キーボードは必要だけど、ノートPCほどの汎用性や拡張性は不要で、特に書くバッテリーで長時間利用したいという人には、最適な選択肢になるだろう。移動が多くて、あまりオフィスに戻れなかったり、行動範囲に電源の取れる場所が少なかったりという人にオススメだ。