国産車だとプリウス以外は厳しいCセグメント
新型「マツダ アクセラ」スポーツ 20S Touring、20S Touring L Package
ヒット車を連発しているマツダが「プリウスと輸入車以外は売れない」と言われているCセグメントのアクセラ(フォルクスワーゲン・ゴルフ級)をフルモデルチェンジし、日本市場に投入してきた。このクラス、ホンダと日産は新型車を日本で売らず撤退。トヨタもプリウスを除き惨敗といった状況。
新型アクセラを見るといろんな意味で興味深い! 例えば売れ筋になると思われるディーゼルエンジンの位置づけ。CX-5はリーズナブルな価格設定とし、コストパフォーマンスをアピールしてきた。続くアテンザもライバルであるカムリハイブリッドを強く意識した価格を付けている。
新型「マツダ アクセラ」スポーツ 20S L Package インテリア
ただ装備表を見て「なるほど!」。超フル装備なのだ。7インチのナビはもちろん、自動ブレーキもショートレンジ&ロングレンジ対応で、後方もキチンと見張ってくれるタイプ。ホイールは18インチでHIDや電動&ヒーター付きシート、BOSEサウンドシステムまで付く。
これだけ装備付いて300万円を切ってれば納得出来る。CX-5の『XD』と同等の装備内容まで落としてやれば、250万円を切る価格も可能だったことだろう。加えてエンジンもアテンザと同じ175馬力の高性能型。スポーティな走りを存分に楽しめるんじゃなかろうか。
「ディーゼル=高級路線」という戦略
アクセラのディーゼルの価格を見てビックリ! CX-5やアテンザのスターティングプライスより高い298万2000円なのだ
なんで高級路線を選んだのかといえば、ハイブリッドとの関係だと思う。トヨタもホンダも「同じ車種にハイブリッドとディーゼルを出せば食い合いになる」と考えている。だからドチラかしか出さない。確かに同じ価格帯で2つのエンジンを出せば、どちらかが埋もれてしまうだろう。
マツダが考えたのは、ディーゼルを高級路線とし、ハイブリッドについちゃ普通のガソリンエンジンを買っていたユーザー層を狙おうという作戦。意外なことにハイブリッドが案外お買い得プライスだったりして。と言うか、プリウスを買ってる場合じゃないでしょ、というほど魅力的だ。
なんたって249万9000円の『ハイブリッド-S』は、ナビやクルコン、HID、16インチタイヤを標準装備しており、それでいてプリウスの『G』より実質的に20万円安いんだから素晴らしい。デザインや乗り味を考えればデビューから5年が経つプリウスよりお買い得だと思う。
30.8km/Lというプリウスの30.4km/Lを抜くJC08燃費を実現していることにも驚く。マツダ自慢のスカイアクティブGの方が熱効率高いということです。残念ながら自動ブレーキはハイブリッド仕様のみ付かない。自動ブレーキ技術で遅れているトヨタに遠慮した?
ディーゼルもハイブリッドも相当な商品力と魅力を持っているから売れそうだ。一方、1.5リッターと2リッターの普通のエンジンを搭載したモデルについちゃ厳しいかと。このクラス、普通のエンジンでは売れないと思います。