インテリアから“走りへの忠誠心”をはっきり感じ取れる
ミドシップ2シータースポーツカーのアルファロメオ4Cで、声を大にして語るべきポイントは、正にイタリアンビューティというべきスタイリングと、パワーウェイトレシオ4以下を目指したパフォーマンス、そして、何と言っても、プライスタグだ。アルファロメオの開発陣は、何度もこうアピールした。
これは「誰でも実現可能なスーパーカーである」、と。
スタイリングに関しては、一目瞭然だ。くどくどと説明するまでもないだろう。あえてアピールしておくとすれば、それはディメンジョンで、サイズ的には新型エキシージとほぼ同じ、という小ささである。
全く新しいデザインであるにも関わらず、どこからどう眺めてもアルファロメオだ。デザイナーは、たとえばティーポ33やディスコボランテ、スプリントスペチャーレといった過去の名車からの“影響”を語ったが、それこそ、ヘリテイジの成せるワザ、であろう。
個人的には、リア斜め後からの眺めが最も気に入った。張り出したフェンダーの抑揚は、フェラーリのミドシップカーをも彷彿とさせる。写真で見るよりも、ショーで見たときよりも、日光を浴びた外で見る方が、断然にカッコいい!
インテリアは、どうか。デザインそのものはシンプルでスポーツカーらしいものだ。けれども、はっきり言って見栄えはチープのひとこと。日本の軽自動車レベルにも達していない。ところどころにレザーやカーボンファイバーが見え、メタルパーツもちょっぴりあったりするために、かえって雑然な雰囲気に思える。豪華さを求める向きには、まったくおすすめできない。
良いな、と思ったのは、ステアリングホイールとシート、そしてドアハンドルやハンドブレーキといった“身体の触れる”パートのみ。つまりそこからは、4Cに籠められた意志、走りへの忠誠心、をはっきりと感じることができる。
見栄え質感にはさほどこだわっていない、それもまた軽量化のためだった、とエンジニアは言い張った。確かに、それはそうだ。それに、見栄え質感を気にしない軽量化は、コストダウンにも容易に繋がってくれる。
せっかく軽くしてやったのに、とエンジニアからは叱られそうだけれども、とはいえ、(オプションのカーボンフェアリングではなく)フルレザーパッケージが欲しくなってしまった……。デートカーには、ちょっと向かないという意味で。
ちなみに。トランクスペースはリアのみ110リッターで、機内持ち込みサイズのゼロハリバートンがちょうど1個収まる容量であった。やっぱり、ドライブ旅行にも向かない、か。