NISAにおいても、通常の投資とセオリーは同じ
NISAを最大限活用するカギは「繰り上げ投資」
本来やるべきことをしっかりやれば、マーケットさえ正常なら期待した成果が得られます。同時に、それだけ大きな節税メリットが得られます(そうでない場合には回復を待つしかありません)。NISAが始まるからといって、なにか特別な方法や商品を探そうとすることは、「木を見て森を見ず」のごとくです。
ただし、これだけは確実だということことがあります。
それは、NISAが適用されるこの10年間に資金投入を集中させたらいいということです。
資金投入のタイミングは最適か?
たとえば、ライフプランの中で老後のために、毎月5万円の積み立て投資を65歳まで続けようと考えている人がいたとします。それは、理性的で素晴らしい計画なのですが、NISAをフル活用するためには、少し修正を加える必要があります。検討したいのは、「繰り上げ投資」です。
定年までの均等な投資よりも、非課税期間にひとヤマ大きな投入をすることです。来年から始まる10年間には、年間100万円(毎月8万3000円)という上限を目標にした資金投入を心がけてみませんか。
もちろん、無い袖は振れないので、借金をしてまですることではありません。しかし、可能性のある対策を考えてみました。
集中投資を可能にするアイデア
非課税期間があるうちに資金を集中投入することは、次のような対策を講じたら可能なはずです。1. 預貯金で維持している金額を減らす
安心のために最低の現金だけとっておき、余剰資金をすべて投資に回す
2. 奨学金など低利のローンを活用する
低利で借りられるローンを使い、余剰資金を投資に回す
3. 住宅ローンの繰り上げ返済はしない
繰り上げ返済に回す資金で投資をする
4. いつかもらえる相続より、今もらえる生前贈与を選ぶ
年間110万円まで非課税でもらえる贈与を使って、投資する
こうして、この10年間に投入できるお金を底上げして、非課税枠を使い切りましょう。
10年無理なら、せめて5年間の集中投資
いや、どんなことをしても、投入金額1000万円は無理という人には、前半の5年間のフル活用だけでもオススメします。というのは、6年目からの投資資金には、先の5年間の非課税枠の資金を繰り入れることができるからです。これをロールオーバーといいます。
2014年から投資した資金のうちの100万円分を、2019年から始まる非課税枠に繰り入れることができます。そうすると、500万円の元手で、1000万円分の非課税枠を使い切ることができます。
投資するお金、してはいけないお金の切り分け
いくら、この10年間に集中投資したほうがよいとはいっても、過ぎたるは及ばざるがごとし。当面は使わない資金だけを投入しなければなりません。向こう5年間に使う予定のあるお金は絶対に投入してはいけません。ただし、どうしても資金が必要になったときには、いつでも解約して使える自分のお金ですから、非常時には使える資金である、という柔軟な認識も同時に持てると心に余裕が生まれます。