NISAをめぐる神経質な議論
リスクを負わずに大きなリターンは得られない
○5年間投資していても損していたらどうしよう?
○損を小さくするための商品選びが必要である?
○NISA用に開発された商品がいい?
投資とはそもそもリスクを負ってお金を増やそうとする挑戦です。リスクとは損をするかもしれないということであり、損をしないために投資の方法をアレコレ考えるくらいなら、投資などしないほうがよいに決まっています。
ましてや、投資でお金が増えることに懐疑的な人が、節税が可能だからといって投資を始めるなんて本末転倒です。なぜなら、節税のメリットとはお金が増えたという所得を前提にしているから意味があるのであって、お金が増えることに懐疑的であれば、当然に消極的な投資姿勢となり、結果として小さな収益しか得られずに、目的とする節税も小さなモノに留まります。
消極的な投資なら節税も小さい
損を小さくするための運用をして、損失の可能性も小さいけれど、うまくいったときの利益も小さいような場合に、どの程度の節税メリットがあるのでしょうか? 試算してみましょう。自分なら、初年度の100万円(※)を5年間で150万円にはしたいと積極的(期待収益率8%くらい)に考えますが、損をしないことを優先した場合だと、収益率はせいぜい3%くらいに留まるでしょう。すると、投資した100万円は5年経っても116万円にしかなりません。利益は16万円、非課税となる税金の額は3万2000円(税率20%で計算)です。
つまり、研究して悩んで思い切って、5年の歳月をかけて、それでたった3万2000円の「お得」です。そんなささいなことで、あなたの人生は報われますか?
まともな投資をするか、しないか?
私は人生が変わるくらいの資産運用をオススメしています。だから、投資は収益を第一目的に行うもの。NISAによる節税はうまくいったときのオマケみたいなものです。節税だけを目的に始める人は、労多くして益少なく。「骨折れ損のくたびれ儲け」となることは必定です。外野の雑音に惑わされて、中途半端なことはしないほうが身のためです。お金を増やしたい、リスクを負ってもいい、そう思えた人にだけ、NISAの女神は微笑むのです。
NISAが始まるからといって、個人がする投資に何の妙案も必要ありません。5年間で収益を最大化する投資を目指したらいいのです。
ただ一つ、資金を投入するタイミングについてだけ、考慮すべきことがあります。それについては、次の記事でご案内します。
※NISAでは、年100万円までの投資から発生した配当や譲渡益が非課税となる