今年の香水の総決算
2010年の春に日本フレグランス協会が10月1日を「香水の日」と制定し、それと同時に「日本フレグランス大賞」を発表することを決めました。これはアメリカの”FiFi賞”に相当するもので、日本における”FiFi賞”と言ってもよいかもしれません。ちなみに”FiFi賞”とは、アメリカでは40年近く続く伝統があり、また権威のある賞。ただし、今年から”The Fragrance Foundation Awards”と名称を変更しました。もちろん名前は変わっても、多くの人々がこの賞に寄せる深い信頼は揺るぎません。
また、アメリカだけでなくフランス、イギリス、イタリア、ドイツ、スペイン等のヨーロッパ各国、さらにアラブ首長国連邦など中東のフレグランス財団でも、毎年イベントが行われています。香水が文化として根ざしている「香り先進国」ではこのように盛り上がりを見せているのです。
それでは、早速、日本のフレグランス・オブ・ザ・イヤーをご紹介していきましょう。
フレグランス・オブ・ザ・イヤー ラグジュアリー・メンズ部門
ブルガリ マン エクストレーム オードトワレ 60ml 7770円、100ml 1万395円
さて、気になる香りはホワイト・ウッディ・フレッシュな香調。トップノートはカラブリア産ベルガモットやピンクグレープフルーツで始まります。
そして、中核をなすミドルノートに配したのは、なんとホワイトフリージアのフローラル系。この香りがトレンドを掴んでいるのがおわかりでしょう。そこにグアテマラ産カルダモン、ベジタルアンバーを調合してマスキュリンなイメージも大切にしています。ハイチ産ベチバーやラオス産ベンゾインなどでラストを飾り、男性の新境地を切り開きました。
問い合わせ先
ブルガリ パルファン事業部
TEL : 03-5413-1202
フレグランス・オブ・ザ・イヤー ポピュラー・メンズ部門
ライジングウェーブ ライジングウェーブ クルーズ オードトワレ(サファリブレイブ) 50ml 5775円
大地をイメージしたというウッディワイルド調。トップはグレープフルーツのさわやかな始まりながら、徐々にワイルドフラワーやジャスミン、ゼラニウムなどのスイートな雰囲気へと変化します。
しかし、甘すぎず、程よく男らしさを保っているのはサンダルウッド、アンバーなどのウッディ系を持ってきたおかげ。ラグジュアリー部門のブルガリも同様でしたが、男性のためのフローラルという傾向はここでも見て取れます。世間では優しさと強さを兼ね備えた男性が求められているということでしょうか。
問い合わせ先
株式会社フィッツコーポレーション
TEL : 03-6892-1331
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