見直しは効果の高い固定費から

赤字家計はその原因を明らかにすることが先決です。「原因は簡単。収入が少ないから」と即答する人もいるでしょう。
 
赤字家計の見直し方

赤字家計の見直し方



ここで実例として紹介するAさんも、昨年余儀なく転職することになり、手取りにして月5万円も収入がダウンしました。その結果、家計はすぐに赤字に転落してしまったそうです。

ここでまず、Aさんの家計データを見てみましょう(表1参照)。毎月の赤字幅は1万1000円と大きくありませんが、貯蓄は普通預金の10万円のみですから、家計的にかなりリスクを抱えています。

■Aさん夫妻の家計データ
(※1)バイクのローン。ローン残高70万円、完済まで3年半(※2)エアコンのローン。ローン残高10万円、完済まで1年

(※1)バイクのローン。ローン残高70万円、完済まで3年半(※2)エアコンのローン。ローン残高10万円、完済まで1年

 

ローンはなるべく早い完済を目指す

さて、家計の見直しですが、そのセオリーは効果の大きい固定費から。Aさんの支出項目で着目したいのが、住宅ローンの他にローンが2つ(オートバイ、エアコン)もあるという点です。

住宅ローンを返済している期間は他にローンを組まないのが、家計管理の鉄則です。すでに組んでしまった場合、貯蓄に余裕があれば、繰上返済でいち早く完済することがもっとも効果的。しかし、残念ながらAさんの場合、貯蓄自体がありません。それでも、ローン完済までエアコンはあと1年、ローン残高10万円でしたので、まずはこのローンだけでも早めの完済を目指すことが大事となります。
 

保険を見直して、月々の保険料を節約

もうひとつ、気になる固定費が保険です。保険の見直しポイントは人それぞれですが、保険料が家計負担となっているケースでは、以下のような点に見直しの余地があります。
 
  • 保険料が割高の終身保険に加入している
  • 医療保障が高額過ぎる、または医療保障の内容が重複している
  • 必要性の低い特約を付け過ぎている
  • 保障内容が個人年金保険、介護保険に偏っている(20代、30代の場合)
Aさんは夫婦それぞれ、貯蓄代わりの低解約返戻金型終身保険と医療保険で必要最小限の保障は確保できています。したがって、残りを解約すれば、毎月8050円が貯蓄に回せます(表2参照)。

表2■Aさん夫妻が加入する保険の内訳
夫婦とも医療保障部分が重複しているのがわかる

夫婦とも医療保障部分が重複しているのがわかる

 

「何となく支出してしまう」から抜け出す

家計で固定費の次に見直すべきは、何となく支出している部分、あるいは使途不明金。これらはいわば「使わなくても済むお金」です。

Aさんの支出にある「雑費5万円」。その中身をたずねると、ほとんど奥さんが使っているとのこと。パートの帰りにお茶をしたり、休日に友達とランチしたり、好きな小物を買ったり、疲れると家までタクシーで帰ったり……。あとは覚えてないけれど、気が付けばついついあるだけ使ってしまうのだそうです。

息抜きも大切ですが、現状を考えれば、ムダ使いといわざるを得ません。これらの支出は、小遣いや趣味・娯楽費の範囲内で何とか抑える努力が必要です。また、使途不明金もなくせば、雑費を1万円くらいまでに減らせるのではないでしょうか。

あとは、ここ数年、多くの家庭で金額が上昇している通信費。携帯電話、スマートフォンの料金プランをこまめに見直す、あるいは、たまにしか見ない有料テレビは解約するなど工夫をすれば、Aさんのケースでも、月数千円は節約できるでしょう。

さて、保険と雑費、そして通信費を見直すことで、毎月5万円も支出が減り、赤字部分を相殺すれば、年間貯蓄額は約50万円。1年後、エアコンのローンが終われば、その額は約65万円にアップ。さらにバイクのローンが終われば、年間100万円近い貯蓄が可能となるのです。しかも、収入は変わらず、食費や水道光熱費も抑えていません。

赤字家計が一転して貯蓄体質に変わる。計算上といわれればそれまでですが、多くの赤字家計にそうなる可能性があることもまた確か。住宅購入やゆとりあるシニアライフなど、希望するマネープランを実現するために、今日から取り組んでみてください。

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