結婚するだけで平均600万円もかかる!?
まずは、結婚というイベントを、かかる「お金」で見てみましょう。リクルートの「ゼクシィ結婚トレンド調査2017」によると、挙式・披露宴にかかる金額は全国平均で354万8000円。あっさりとは見過ごせない大きな金額です。ただし、結婚式には出席者からのご祝儀がつきもの。こちらも先の調査によると、平均227万4000円(招待客の平均70.2人)。単純計算で、本人たちの負担は127万4000円ですから、実質、用意する資金はグッと下がります。さらに、親・親族からの援助が平均182万円。すると、これだけで挙式・披露宴をしてもお釣りがきてしまいます。しかも、全体の76.1%が「援助あり」と答えていますから、多くの場合、その金額はともかく、親・親族の援助は期待できるということになります。
さて、ここまで読んで楽観的になった人もいるでしょうが、人生はそう甘くありません。結納式を行う人は少数(全体の10%程度)ですが、それを除いても、婚約に関わる費用や結婚指輪、新婚旅行で、挙式・披露宴のコストに100万円以上が自動的に上乗せされます(下の表参照)。
さらには仲人や主賓へのお礼、遠方の招待客への交通費、新生活費用として新居への引っ越し、敷金、礼金、家電の買い替えなども含めると、トータルで600万円程度になるという試算もあるのです。
自分たちができる結婚生活を模索してみる
では、実際に結婚資金はいくら用意すべきでしょうか。先の調査や試算を参考にすれば、200万円程度貯めれば足りる計算になりますが、親・親類からの援助を100%あてにするわけにはいきません。となれば、「援助なし」を前提に考えて、400万円をひとつの目安にしていいでしょう。男女の費用負担を半々と考えれば、1人200万円。しかし、結婚後に貯蓄がゼロでは困りますから、それぞれ50万円を上乗せして、理想の目標額を250万円としてみました。とはいえ、収入がまだ高くない20代での貯蓄250万円は、決して低いハードルではありません。それが用意できず、婚期を逃したというのであれば、まさに本末転倒。大事なことは、自分たちの価値観、希望を反映させる中で、予算的にできる範囲を模索することです。
挙式、披露宴にこだわりがなければ、費用はかなり抑えられます。オフシーズンの夏(7、8月)もしくは冬(1、2月)は、一般的に料金が低めに設定されています。暦を気にしなければ、割安な仏滅の日の挙式プランを利用する手も。また、最近話題のスマート婚は、専門の企業が式場の空きを格安で抑えることなどで、ホテルウェディングを通常の4~6割の料金で実現しています。
さらに、最近話題となっているのが「届け出挙式」。役所に婚姻届を提出し、そのまま役所内のホールや議事堂で挙式を行うというもの。役所の職員が司会者となり、誓いの言葉や指輪交換、記念撮影などを行います。指輪や衣装は当事者が用意しますが、場所代等の費用は原則ゼロ。東京都港区、足立区、八王子市、兵庫県西宮市、神奈川県横須賀市など、実施している自治体はまだ限られているものの、究極のスマート婚かもしれません。
ともあれ、どういう予算になるにせよ、結婚に向けて貯蓄に励むことはとても重要です。結婚に使わなくても、それ以降も人生のイベントは目白押し。お金が必要な時期はいくらでもあります。当事者同士で十分に話し合い、貯めた資金を納得のいく形で使うよう心がけてください。