間違いだらけのキッチン選び
Vol.2 システムキッチンを一言で説明できない訳?
前回のVol.1のご説明では、「システムキッチンって何?」というタイトルで、いろいろな種類のキッチンシステムがあり、システムキッチンにもさまざまあることの概要をお話ししましたが、何故こんなにキッチンの呼び名が混乱し、”我こそはシステムキッチンの本家なり”というメーカーが多いのかについて、もう少し説明を加えておきましょう。
筆者が現在のキッチンデザイン事務所を設立した1975年は、日本のシステムキッチンの黎明期でもありました。前回もお話ししたように今までのキッチンメーカーが従来方式のキッチンセットにこだわっていた時代に、トータルインテリアとしてのキッチン空間を新しい事業としてとらえる動きが輸入キッチン業界、異業種からのキッチンビジネス進出によって、大いに賑わいはじめたのです。当時のインテリア雑誌を見ると、いわゆる日本の従来型キッチンセットを採用した現場実例写真はほとんど見られなくなり、ドイツを初めとする海外からのキッチンシステムが目に触れる機会がどんどん増えてきた時代でした。
インテリア雑誌や建築雑誌のそんな動きが活発になるに従って、日本のキッチンメーカーも黙視できなくなってきました。ようやく1980年代に入ると日本のキッチンメーカーもシステムキッチンの開発に乗り出し、一気に市場に出てきたのです。
JIS A0017-1980 システムキッチン構成材のモデュール呼び寸法
このJIS規格を簡単に説明すると、1種(S=Separate型)、2種(H=Horizont型)、3種(M=Mixed型)の3つのタイプを、システムキッチンとして定義しています。
輸入のシステムキッチンはすべてこの方式。国産メーカーはキッチンハウスやモーリショップなどが手がけている。
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