バンド史上最強の布陣で臨んだ一枚
■アルバム名ディキシー・チキン
■バンド名
リトル・フィート
■おすすめ理由
リトル・フィートが1973年に発表した3枚目のアルバムで、バンド史上最強の布陣で臨んだ、アメリカ南部の泥臭い音楽を前面に押し出した作品です。
それまでのキーボーディスト、ビル・ペインとドラムスのリッチー・ヘイワードは従来のままに、ポール・バレルというセカンド・ギタリスト(ベーシスト・オーディションを3回受け、3回とも不合格になった経歴の持ち主、しかしギターの腕を買われて加入)、デラニー&ボニーのバックをしていたベーシストのケニー・グラッドニーを加入させ、ケニーとともにデラニー&ボニーのバックをしていたコンガ奏者サム・クレイトンという6人組して再出発しました。
ケニーとサムのどちらも出身地であり、ポールも傾倒していること、そしてローウェル・ジョージがヴァン・ダイク・パークスのアルバム・レコーディングに参加したことで、アラン・トゥーサンの音楽に惹かれて行ったことからニュー・オーリンズ・サウンド直系のシンコペートを採用し、しかも心地よいズレ、タメの効いたファンクを展開するリズム・セクション、ローウェルのこぶしが回ったヴォーカル、スライドギターが絶妙に絡み合う傑作です。
ちなみに「Dixie Chicken」とは南部の娘という意味、一目惚れした可愛い女という感じです。