若者達に支持されたセックス・ピストルズ唯一のスタジオ・アルバム
■アルバム名勝手にしやがれ!!
■バンド名
セックス・ピストルズ
■おすすめ理由
イギリスのパンクバンド、セックス・ピストルズ唯一のスタジオ・アルバムです。
1977年にヴァージン・レコードよりリリース、全英アルバムチャート1位を記録しました。
「ローリング・ストーン誌が選んだオールタイム・ベスト・アルバム500」と「オールタイム・ベスト・デビュー・アルバム100」に於いて、それぞれ41位と7位にランクされています。
更に音楽的なことを補足させていただくと、このアルバム制作に関わったクリス・トーマスは、プロコル・ハルム、ロキシー・ミュージック、サディスティック・ミカ・バンド等を担当してきた敏腕プロデューサー。
彼はスティーヴ・ジョーンズの弾くギターを何重にもオーヴァー・ダビングし、音に厚みを出しました。
他のパンクバンド以上のドライヴ感のあるギターサウンドも魅力です。
このアルバムに関してのバイオグラフィ等は、ここまででイイと思います。
音楽的内容、豊富な知識、優れたセンス、といった優等生の為の蘊蓄はあまり必要ないのです。
70年代後半の英国の若者達が望んだものは、フラストレーション発散や憤りの向け方を体現化してくれた、彼らの動向そのものだけです。
最もロックの原始的なパワーや思いが、ここにはあります。
つまりそれは初期衝動と呼ばれるもの、直感で惹かれてしまうもの、センセーション、カオス……表現は色々出来ますが「何だか分からない、とてつもなさ」があればいいからです。
社会や常識、英国の伝統・規律、大企業の横暴さ、全てを忌み嫌い罵ったジョニー・ロットンのヴォーカルや、破滅的なシド・ヴィシャスの態度に熱狂し、シーンは確実に動いたのです。
このアルバムには、そんな理屈じゃ到底追いつかない不思議な力があるようです。