特別な誰かの為のものではなく、普通のありふれた人々を唄った一枚
■アルバム名ニューヨーク52番街
■アーティスト名
ビリー・ジョエル
■おすすめ理由
1978年にビリー・ジョエルが発表したアルバム、通算6作目、その後1982年に世界初の商業用CDとして発売されたことでも知られています。グラミー賞の最優秀アルバム賞、男性ポップ・ボーカル部門の2部門を受賞しています。
前作の「ストレンジャー」にて人気に火が着き、そのプレッシャーをはねのける位のクォリティで、今でも人気アルバムに挙げられます。
特に「オネスティ」という楽曲は日本で最も受け入れられ、多くの人が一度は耳にしているはずです。
そんな華々しい頃の彼の作品ではありますが、実際に唄われている内容は、人間の内にある本音や葛藤、ちょっとしたおふざけも含めた「生活者の日常」であることに着目して欲しいものです。
特別な誰かの為のものではなく、今日は休日を嗜む、明日の朝、眠い目をこすりながら再び仕事に出掛ける人々の事です。
きっと普通のありふれた人々に興味があり、そこに些細な疑問を持ち、そして投掛けるシンガーだというのが良く分かります。
1曲目「Bigshot」では、ちょっと上機嫌?な男の大ぼら吹きにも聞こえ、「マイライフ」での独立独歩ぶりは、何か小さな決意をした人の事だと思えてなりません。
ニューヨークを中心に、都会の小さな出来事、些細な人の夢を紡いだ当時のビリーらしい作風です。
プロデューサーは巨匠フィル・ラモーン。
「ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500」に於いて、354位にランクインしています。