名曲をフラメンコ調に斬新アレンジ
■アルバム名悲しき願い
■アーティスト名
サンタ・エスメラルダ
■おすすめ理由
サンタ・エスメラルダはアメリカ人とフランス人の混成のディスコ・グループです。本作品は1977年に発表されましたが、日本版の方が収録曲が多いのでお勧めです。
このアルバムは、1960年代に大ヒットしたアニマルズの「悲しき願い」(原題:Don't Let Me Be Misunderstood、1964年)や「朝日の当たる家」(原題:The House of the Rising Sun、1964年)などのカバー曲が収録されています。
私はアニマルズの「悲しき願い」が大好きで、エリック・バードンの歌い方が独特の哀愁が感じられて、かなり気に入っていました。この曲はブルース・ロックバンドのアニマルズが1番似合うと感じていました。「朝日の当たる家」はボブ・ディランも歌っていましたが、私はアニマルズの方が聴く機会が多かったため、やはりこちらの方が好きでした。
カバー曲自体が好きではない私ですが、サンタ・エスメラルダの「悲しき願い」や「朝日の当たる家」は1度聴いただけで気に入りました。60年代のチープなサウンドこそがアニマルズの曲にはぴったりだと思っていたので、フラメンコ調のアレンジがこれほどはまるとは思いませんでした。
カバー曲が苦手な理由は、原曲との差異に違和感を覚えてしまい、何かがしっくりこないのです。サンタ・エスメラルダには、違和感がありませんでした。
「悲しき願い」は映画「キル・ビル」でも使用されています。1977年にヒットしたフラメンコ・バージョンが2003年の映画で再び注目を浴びたのは、このアレンジが素晴らしかったということでしょう。
まずはアニマルズを聴いてほしい!
「悲しき願い」はさまざまなアーティストがカバーしているので、聴き比べるのも面白いです。オリジナルは1964年にジャズ歌手のニーナ・シモンが歌ったバージョンです。その後、エルビス・コステロやシンディ・ローパー、ザ・キラーズなど、日本では尾藤イサオさんが歌っています。最初にまずアニマルズを先に聴いてから、他ののバージョンを聴くのがおすすめの順番です。アニマルズを聴けば、サンタ・エスメラルダのアレンジの良さが分かると思います。
また、アニマルズのカバー以外の曲も、名曲が揃っています。フラメンコギターの音色の美しさも楽しめます。心地よいギターやビートに身をゆだねてみてください。