キースのドラミングとジョンのベースラインが調和したファーストアルバム
■アルバム名マイ・ジェネレーション
■アーティスト名
THE WHO
■おすすめ理由
世代によって思考も音楽性も様々です。
還暦も過ぎた人々にしてみれば、現在のJ-POPシーンにはいささか居心地の悪さを覚え、昭和歌謡なる後退したジャンルに、輝きを求めてしまいがちだし、新しい世代の人達は、パッケージされた楽曲の楽しみ方が分からず、部屋の模様替え程度に、配信されるヒット曲にしか耳を貸さない、これらがすべて同居する混沌とした時代にいます。
そんな中で殆どの世代に素直に受け入れられ、しかも聴くたびにその斬新さと迫力を認識出来る、そんな珍しいアルバムがTHE WHOのファーストアルバム「マイ・ジェネレーション」です。
65年にリリースされ、R&Bのカヴァも含みつつ、ピート・タウンジェントのアイデアが開花し、キース・ムーンの怒濤のようなドラミングと、ジョン・エントウィッスルのドライヴするベースラインが調和し、世代を超越した出来栄えとなりました。
「歳をとる前にくたばりたい!」という歌詞が印象的で、労働者階級のロンドンの若者たちを熱狂させ、モッズ族と呼ばれる集団カルチャーの典型を作り上げました。
やはりロックの基本というのは、フラストレーションや憤りの方向性です。
何かが欠落し不満だから、その埋め合わせをしようと必死に求める、それがパワーや進化の源となるのです。