Yさんが必死で行った支出改善
Yさん夫婦は、家計を改善するために様々な努力をしました。食費は一週間1万円を目標にし、外食や突然のメニュー変更もできるだけ計画的に心がけ、5万円でやりくりをしました。生命保険も保障内容を見直し、必要なものだけにして掛け金を節約しました。
そのほか、携帯電話のプラン見直しや家族サービスの付加、ガソリン代の節約、子どもの習い事は関心を持って取り組んでいるものに絞る、娯楽費はお金をかけない工夫をし、外食ではなくお弁当などを楽しむようにする、2つ取っていた新聞の一つをやめる、など、必要な部分は必ず残しながら、不要な部分は遠慮なくカットするというやり方で頑張りました。
これらを実行することで、大原則である「毎月の収入の中で支出を収める」ことができるように。頑張った分、ボーナスが出たら、行きたくても我慢していた外食やテーマパークに行くなど、お楽しみにも少し使うようにしましたが、それでも8割ほどを残せるようになり、貯金もこの2年、4回のボーナス中心の貯金で210万円ほどになりました。
■Yさん一家の1カ月の家計収支(改善後)
ボーナスは生活費のあてにしない
Yさんは、「多少苦しくても、毎月の収入の範囲内で生活していると、半年後のボーナスがご褒美のように思えます」と言います。ボーナスが確実にもらえるとは限らない現在、貯金をボーナスに頼るのはよくないという意見もありそうですが、当面、安定的に支給されるのであれば、あてにするのも一つの策です。その間に毎月の支出を見直し、無理せず支出を抑え、毎月貯金ができるようになるとよいと思います。
毎月の支出を5万円カットできたYさんは立派です。さらなる支出減を目指す工夫を続け、ボーナスからだけでなく、毎月の収入からも貯金ができるようになってほしいと思っています。
「ボーナスがあるさ症候群」にはならないで
ボーナス支給が当たり前の家庭では、毎月の生活費の赤字補てんによってボーナスがなくなってしまうケースが多いものです。こういう人たちを、私は「ボーナスがあるさ症候群」と呼んでいます。明らかにあてにしているという人もいますし、気が付かないうちにボーナスをあてにする生活になっていたという人もいます。不安定な経済情勢の中、ボーナスをあてに生活していると、急に支給がストップし家計が回らなくなるという可能性も考えられます。やはり、ボーナスは日ごろの頑張りのご褒美としてとらえるようにし、支払いを補うものとして期待しないほうがよさそうです。