年の差カップルが押さえておきたいポイント2:遺族厚生年金

年の差カップルは遺族年金の知識が必要不可欠です

年の差カップルは遺族年金の知識が必要不可欠です

(2)中高齢寡婦加算
一定の条件を満たす場合、「中高齢寡婦加算」という加算金が遺族厚生年金に加算されます。中高齢寡婦加算の金額は年額約59万円です。

一定の条件には、以下の通り2つあります。
  1. 死亡者(夫)が厚生年金加入中、又は、厚生年金の加入期間が20年以上ある年金受給者(受給資格者)での死亡であること
  2. 遺族厚生年金受給者(妻)の死亡当時の年齢が40歳以上であること
この2つの条件を満たすと中高齢寡婦加算を受給することができます。受給できる期間は遺族厚生年金受給者(妻)が65歳になるまでです。ここでいくつか事例をご紹介しますので中高齢寡婦加算が受給できるか否かの確認をしてみましょう。

●パターン1:
夫(65歳で死亡、死亡時は年金受給者(厚生年金加入期間20年))
妻(夫死亡当時の年齢50歳)
中高齢寡婦加算の上乗せ →有(受給総額約885万円(約59万円×15年間))

●パターン2:
夫(65歳で死亡、死亡時は年金受給者(厚生年金加入期間19年))
妻(夫死亡当時の年齢50歳)
中高齢寡婦加算の上乗せ →無(夫の厚生年金加入期間が20年未満のため)

●パターン3:
夫(65歳で死亡、死亡時は厚生年金加入中)
妻(夫死亡当時の年齢40歳)
中高齢寡婦加算の上乗せ →有(受給総額約1,475万円(約59万円×25年間))

●パターン4:
夫(65歳で死亡、死亡時は厚生年金加入中)
妻(夫死亡当時の年齢39歳)
中高齢寡婦加算の上乗せ →無(夫死亡時の妻の年齢が40歳未満のため)

パターン1と2では夫の厚生年金の加入期間が20年以上か否かで中高齢寡婦加算が受給できるかどうかが決まり、パターン3と4では夫の死亡当時の妻の年齢によって受給できるかどうかが決まっています。

また、パターン1と3を比較すると、妻の年齢が若ければ若いほど65歳になるまで受給期間が長く受給総額が多くなります。

このことから年の差カップルにとっては中高齢寡婦加算が受給できるか否かはかなり重要なことと言えるでしょう。

尚、遺族基礎年金を受給している場合、夫の死亡時妻の年齢が40歳未満であっても、子どもが18歳到達年度の末日経過時に40歳以上であれば妻の年齢要件は満たしていることとなります。

(3)30歳未満の妻は有期年金

原則、遺族厚生年金は遺された妻が死亡するまで一生涯受給できるものですが、夫が死亡時30歳未満の妻である場合は一生涯受給することができません。受給できる期間は5年間です。5年間遺族厚生年金を受給したら失権しますので注意が必要です。

尚、妻が30歳未満であっても遺族基礎年金を受給しており、遺族基礎年金受給終了後30歳を超えているれば原則一生涯遺族厚生年金をもらえることができます。

ポイント3:国民年金保険料

年の差カップルで押さえておきたい3つ目は国民年金保険料です。

例えば夫がサラリーマンで厚生年金に加入しており、妻が専業主婦などで夫の扶養に入っている場合、妻は国民年金の第3号被保険者となることができます。第3号被保険者は、国民年金保険料を納付しなくても納付したものとして取り扱われる被保険者です。

この場合、夫が厚生年金に加入している限り、妻はずっと第3号被保険者になれるかというとそうではありません。夫が65歳になった時点で妻は第3号被保険者としての資格を失い、第1号被保険者とならなければなりません。これは自動的にこのような取扱いになります。

国民年金の第1号被保険者は、国民年金保険料を納付しなければなりません。例えば夫60歳、妻50歳の場合、夫は70歳まで厚生年金に加入したとしても、妻は夫が65歳までは第3号被保険者として国民年金保険料を納付する必要がありませんが、夫が65歳になると第1号被保険者に変わりますので、55歳から60歳の5年間は第1号被保険者として国民年金保険料を支払わなければならなくなります。

よって年の差婚の場合、年齢が離れていれば離れているほど長い期間第1号被保険者として国民年金保険料を支払わなければならなくなる場合がありますので注意が必要です。

尚、健康保険については65歳以降も扶養に入り続けることができます。


以上、年の差カップルが押さえておきたい3つの年金のお話をご紹介しました。いずれも年の差カップルだからこそ金額が大きくなる話ですので、今後の参考にしてください。


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