理学療法士試験 精神医学の問題傾向

精神医学の問題傾向として、最も重視すべきは統合失調症になると思います。ここ数年、連続で出題されており、出題数も2問ずつとなっています。その他は例年通り、うつ病や適応障害、アルコールによる疾患、てんかん等の疾患問題が出題されております。また、特別な傾向として、患者の様子から疾患を特定する問題も出てきています。

精神医学の過去問題と解答

過去問題 第52回(2017年)
再発に高EE(Expressed Emotion)が深く関与している統合失調症患者の治療に有効なのはどれか。
  1. 自律訓練法
  2. 認知行動療法
  3. 生活技能訓練
  4. 家族心理教育
  5. レクリエーション

この問題の答えは【4】になります。EEとは患者家族が患者本人に対し向ける感情表出のことです。問題では、高EEとなってますので、患者家族の強い感情表出ということになります。その点から家族心理教育が有効と言えます。他の選択肢ですが、自律訓練法は自己暗示法のひとつであり、心身症、神経症に効果的です。認知行動療法は、ものの見方を自覚させて行動変容を促す療法であり、うつ病や強迫性障害などに使われます。生活技能訓練は、地域生活への適応を主眼にした訓練法で、統合失調症に効果的な治療法です。レクリエーションは、幅広く使われ、心身状態の安定を図る方法です。

過去問題 第52回(2017年)
双極性障害と比較した場合のうつ病の特徴はどれか。
  1. 有病率が低い。
  2. 平均初発年齢が低い。
  3. 有病率の男女差が小さい。
  4. 一卵性双生児の罹患一致率が低い。
  5. 状況要因が誘因となって発症することが少ない。

この問題の答えは【4】になります。双極性障害と比較し、うつ病では一卵性双生児の罹患一致率が低く、有病率は高いです。うつ病の平均初発年齢は40歳であり、双極性障害の平均初発年齢は10代後半でとなります。また、有病率の男女差ですが、うつ病は女性に好発し双極性障害は男女差はないです。状況要因の影響をうつ病では非常に受けやすく、双極性障害は遺伝的関与が高いです。

過去問題 第51回(2016年)
双極性障害について正しいのはどれか。
  1. 男性より女性が多い。
  2. 単極性うつ病より自殺率が高い。
  3. 単極性うつ病より有病率が高い。
  4. 単極性うつ病より発症年齢が高い。
  5. 単極性うつ病より遺伝素因の関与が低い。

この問題の答えは【2】です。双極性障害は発症に性差はないです。また、単極性うつ病との比較では、自殺率は高く、有病率は低いです。また、発症年齢は低く、遺伝素因が発症に高く関与しています。この問題では単極性うつ病との比較でしたが、双極性障害は、双極1型障害と双極2型障害の2つに分かれるためこの点も押さえておきたいです。

過去問題 第51回(2016年)
回避がみられるのはどれか。
  1. 心気障害
  2. 身体化障害
  3. 強迫性障害
  4. 全般性不安障害
  5. PTSD(外傷後ストレス障害)

この問題の答えは【5】です。PTSD(外傷後ストレス障害)では、過去に災害などの大きな恐怖を感じた経験や死に直面した経験から、似たような事象を回避しようとします。

その他の選択肢ですが、1の心気障害は、ちょっとした身体変化などを、重大な病気を患っているという大きな不安に陥る現象であり回避はみられないです。2の身体化障害は、痛みや知覚異常など身体的な不定愁訴が慢性的にみられる障害です。回避はみられません。3の強迫性障害は、自分でたいした事ではないとわかっていても、そのことが頭から離れず、わかっていながら何度も同じ確認を繰り返してしまう障害で回避はみられません。4の全般性不安障害は、様々な出来事や活動に対し、過剰に不安になる障害です。やはり回避はみられません。

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