採りすぎて漁獲量を制限
アサリは、縄文時代の貝塚でも全国的に見られ、日本人には古くから馴染みのある貝の一つです。潮干狩りは、日本各地の海岸で見られる春の風景でしたが、実は近年は乱獲や、埋め立てによる砂浜の減少、水質汚染、また温暖化の影響などにより漁獲量は激減しています。国産品では、禁漁区をもうけたり、あるいは漁獲量を一日○kg、操業時間は○時まで、というようなルールを設けて、採り過ぎを防いでいます。浜名湖などでは、そのような取り組みのおかげでずいぶん産卵量が増えて回復しているそうですが、中国や韓国、北朝鮮からの輸入品が多く出回っています。
おいしく食べるには砂出しが肝心
たくさん手に入ったら、アサリを干しておくと、おいしいおつまみに。
スーパーなどでは砂出し済みのものも売られていますが、念のため砂出しをした方が安心です。砂出しは、平らな容器にアサリがひたひたに浸かる程度に、塩水(塩分2%程度の海水より薄め)に浸けて、暗いところに数時間放置しておきます。容器の中に入る網などを敷いておくと吐き出した砂を再吸入せずにすみます。
砂抜き後、水からあげてしばらくおくと、旨味のコハク酸が増えると考えられています(アサリは干潟でも生きるので、水なしでもすぐには死にません)。
アサリと鯛、野菜をオーブン焼きに。アサリなどの旨味がでるので、シンプルな味付けでおいしいです。
たくさん手に入った時には、アサリの干物もおいしいです。私は、砂抜きした後、酒蒸しして、口があいたら手早く取り出し、殻を外してから干します。適度な歯ごたえが出て、旨味も濃縮され、おつまみにもおいしいですし、和え物に使ったりします。酒蒸しした時のおいしい出汁は、お味噌汁や煮物等に使って、無駄なくいただきましょう。
参考/
・あさり(静岡県水産技術研究所)
・アサリ増殖に関する最新の知見について(日本水産資源保護協会季報2008春)
・日本食生活史(吉川弘文館)