映画/口コミでおすすめのスポーツ映画(邦画)

赤井英和さんの生き様を描いた傑作「どついたるねん」

赤井英和さんのボクサー時代の自伝を基に描かれたボクシングもののスポーツ映画です。自伝とは異なり、赤井さんのボクサー人生の最後の場面からスタートし、カムバック戦まで、もし赤井選手がボクサーを継続していたら、が描かれます。本物のボクサーが演じる迫力に加え、独特の緊張感が生まれた作品です。

投稿記事

浪速のロッキーの自伝を基にした大阪色豊かな作品

■作品名
どついたるねん

■監督
阪本順治

■主演
赤井英和

■DVD販売元
パイオニアLDC

■おすすめの理由
本作は現在俳優、タレントとして活躍される赤井英和さんのボクサー時代の自伝を基に描かれたボクシングもののスポーツ映画です。

赤井さんはモスクワ五輪の代表に選ばれたり、プロ転向後12連続KO勝ちの日本タイ記録保持者として有名です。“浪速のロッキー”と呼ばれ、80年代前半から中盤大阪で大変人気があった方です。

85年、大和田正春氏との一戦後、脳挫傷で意識不明の重体に陥り、一命をとりとめるもボクサー人生に終止符を打ちました。その後同名の自伝を発表し、それに惚れ込んだ阪本監督が赤井さんにそのまま主役を演じてもらう運びで制作されました。

映画は自伝と異なり、赤井さん演じる安達が、大和田さん演じるイーグルと戦うところから始まります。つまり赤井さんのボクサー人生の最後の場面からスタートしカムバック戦まで、もし赤井選手がボクサーを継続していたら、が描かれます。

カムバック戦の相手は大和武士氏演じる清田。実は大和氏も元ボクサーで大和田氏に破れ網膜剥離で引退した過去があります。この本当に深い因縁のある三人が演じることにより、作品には本物のボクサーが演じる迫力に加え、独特の緊張感が生まれました。

魅力の一つ目は大阪

監督、主演は大阪人。舞台は大阪。描かれる人々の感覚、人情等全てが大阪一色の作品で、大阪人でも関西人でもない私からすれば軽い異国感すら感じる程です。

TVで関西弁が浸透した現在でも、日常的なレベルでは大阪人同士のやりとりを見ることは個人的にほとんどないので、大阪色が濃密な本作は主人公の生き様・考え方等、世界観の部分で大変興味深かったです。


魅力の二つ目は脇を固める役者の好演

本作は原田芳雄さん、相楽晴子さんをはじめ演技派の役者陣が役者としては素人の赤井さん達を盛り立てます。


魅力の三つ目は作品が評価されるいきさつ

本作、実は公開当初映画館で上映が出来ず、原宿に特設テントを設けての上映がスタートでした。

その後口コミで評判が広がり、その年の映画各賞をほぼ総なめにしました。阪本監督、赤井さん、原田さん、相楽さんは多くの賞を受賞する快挙でした。

これはまるで主人公の闘志が映画そのものを支えていく様に感じさせるものでした。


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